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2021.12.27

データ分析コンサルタントとは?必要スキルや資格とあわせて解説

コンサル募集

「データ分析コンサルタントとはどんな仕事なのか知りたい」「データ分析コンサルタントを目指したいが、必要なスキルや資格が分からない」このように疑問をもつことはありませんか?

近年、多くの企業でビッグデータが活用されていることもあり、データ分析コンサルタントは需要のある職業の1つです。

そこで今回は、データ分析コンサルタントの仕事内容を説明したうえで、必要なスキル、持っていると良い資格について解説していきます。

この記事を読むことで、データ分析コンサルタントの仕事が理解でき、あなたのキャリアを考えるうえでの参考としていただけます。

データ分析コンサルタントとは?

データ分析コンサルタントとは、数あるデータから有益な情報を抽出し、それを課題改善に役立てる仕事です。また、データを分析するだけでなく、課題改善のための具体的な提案まで行う必要があります。

データ分析を行うには、データ分析のためのシステム環境が必要になるため、ITスキルからデータ分析のための専門知識まで、幅広いスキルが求められます。

そんな多面的なスキルが求められるデータ分析コンサルタントは、近年の急激なデジタル化により需要が高まっています。

データ分析コンサルタントの需要は増加している

デジタル化が進む現代では、多くの企業がビジネスを有利に進めるためにデータ活用に注力しています。また、同時にデータ分析コンサルタントの需要も増加しています。

なぜなら、5G、AI、IoT、ビッグデータなどの技術革新により、膨大なデータを収集することが可能となり、データ分析の精度がビジネスの勝敗に大きく影響するからです。

たとえば、IoTを活用した予防保守サービスを提供している製造業などは、IoTデータの高度な分析ができれば顧客が利用する製品のリプレース時期の予測ができます。

その製造業のサービスでリプレース予測ができ、完全に壊れる前に置き換えができれば、他社にはない差別化要因となり顧客が離れにくくなるわけです。

このように、データとビジネスをいかに紐付けるかが重要となってくる時代となり、データを有効活用したいと考える企業が増えたことで、高度なデータ分析を行えるデータ分析コンサルタントの需要は増加しています。

データ分析における「コンサルティング型」と「エンジニアリング型」の違い

データ分析コンサルタントには、主に以下の2つの職種があります。それぞれ役割や活躍する場所が異なるので、特徴について解説します。

コンサルティング型

数あるデータから有益な情報を抽出し、課題改善のための提案を出す職種です。現場に近い場所で活躍することが多く、具体的な施策を提示することにフォーカスした役割を担います。

エンジニアリング型

データマイニングや機械学習・深層学習を基に、提供するサービスの品質向上を目指します。

無秩序に見える膨大なデータから規則性を見つけ出していくなど、裏方での作業が多く、コンサルティング型よりも技術面や分析面において、より深い知見が必要になります。

このように、データ分析コンサルタントにも種類があり、さまざまなフィールドで活躍する職種であることがわかります。それでは、より具体的にデータ分析コンサルタントが活躍しているフィールドについて確認していきましょう。

データ分析コンサルタントが活躍できるフィールド

データ分析コンサルタントの活躍できるフィールドは、コンサルティングファームからマーケティング企業、ITベンチャー企業、フリーランスまで多岐にわたります。

それぞれのフィールドによって、求められるスキルや役割が変わってきます。以下にて詳細を解説します。

コンサルティングファーム

コンサルティングファームでのデータ分析コンサルタントは、データ分析の専門家として、クライアント価値向上を目指す重要な役割を担います。

なぜならば、データ分析・データ活用を通じて、経営判断や事業創発に役立つさまざまな情報を得ることが可能だからです。

たとえばデータ分析によって、クライアントの顧客層とその数、どの層の顧客からどのくらいの売上があるのか、顧客満足度の程度などといった顧客情報を把握することができます。

こうした高度なデータ分析を実施するため、コンサルティングファームでは、コンサルティング型・エンジニアリング型のどちらもプロジェクトに参画することもあります。

また、コンサルティングファームは年収が高い傾向にあるため、高収入を目指したい人にもおすすめです。

マーケティング企業

データ分析コンサルタントのマーケティング企業における役割は、データの活用による市場分析です。

具体的には顧客行動やニーズの洗い出しなどにデータ分析を用いる立ち位置になります。

なぜなら、消費者の潜在的な需要に応えるには、市場における自社の立ち位置、競合他社、商品の優位性といったデータを収集・分析し、的確な戦略を立てる必要があるからです。

たとえば新商品のプロモーションを請負う場合、データ分析コンサルタントであれば、市場の需要量や競合との差別化ポイント等を具体的にデータで示すことができます

また、近年では市場の把握のために、マーケティング企業がSNS分析を実施するケースも多くなっています。

このようにマーケティング企業では、幅広い領域からデータを収集し、市場分析を進めていきます。

更に、マーケティングはほとんどのビジネスにおいて必須であることから、一口にマーケティング企業と言っても分野は幅広く、活躍のフィールドを選びやすいのも特徴です。

マーケティング領域に特化して、幅広い分野での知見を深めたいデータ分析コンサルタントの方にはマーケティング企業がおすすめです。

ITベンチャー企業

ITベンチャー企業にもデータ分析コンサルタントが活躍する場面は多くあります。

具体的には、データ分析専門企業におけるデータ分析や、〇〇techなどSaaS系の事業を展開するITベンチャー企業などでデータ分析コンサルタントを積極的に採用する傾向にあります。

ITベンチャー企業の成長においても、データをもとに経営判断を行うことが重要だからです。

大企業に比べると採用してくれる会社は少ないですが、ベンチャー企業でも多くのデータ分析の専門家が活躍しています。

また、企業の成長・拡大に身近に携われるのは、ベンチャーならではの魅力であるため、こうした志向がある方にはITベンチャー企業がおすすめです。

フリーランス

企業に属さず、フリーランスとしてデータ分析の案件を請け負う選択肢もあります。

とくに必須の資格や条件はありませんが、フリーランスでデータ分析コンサルタントになるには、より高度なスキルと実績が求められます。

顧客にとってフリーランスのデータ分析コンサルタントは、高度な分析力と独立自走してプロジェクトを推進できる貴重な存在です。

また、企業を通さずに発注ができる分、価格のコントロールができるようになり、顧客にとってコストパフォーマンスの良い取引になります。

さらに、フリーランスの場合スキルと実績さえあれば、顧客からの信頼を勝ち取りつつ継続的な案件獲得も可能となり、収入はほぼ青天井です。

働く時間や場所を会社員時代より比較的自由に選択することもできるため、スキルと実績をお持ちで、自由な働き方を目指している方にはフリーランスとして独立するのがおすすめです。

フリーランスのコンサルタントになる方法や、フリーランスのコンサルタントとして案件を取る方法は以下の記事で詳しく解説しています。

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コンサルタントが案件を獲得する方法とは?獲得手法や単価相場を解説!

データ分析コンサルタントに必要なスキル

さまざまなフィールドで活躍できる仕事である一方、十分なスキルが必要になるのがデータ分析コンサルタントです。

具体的に、データ分析コンサルタントになるためにはどんなスキルが必要かを解説していきます。

論理的思考力

まずデータ分析コンサルタントに必要なスキルは、論理的思考力です。論理的思考とは、物事を体型的に整理し、筋の通った解決策を導くための思考のことです。ロジカルシンキングとも言います。

データを適切な手法で収集し、適切に分析するためには、論理的思考力が求められます。

なぜなら、データ分析コンサルタントには、論理的に考察・説明しなければいけない場面が多く存在するからです。

たとえば市場調査を進める場合、どんな手法でデータ収集するか、収集したデータから導き出せる結論は何か、どのような仮説をおくかなど、すべてにおいて論理に基づく判断ができなければ適切な解を導き出せません。

つまり、データ分析コンサルタントにとって論理的思考力は、必須のスキルです。

統計知識

データ分析コンサルタントには、統計知識も必須のスキルです。統計知識と言っても幅広く、具体的には以下のような知識を指します。

  • 大前提となる統計を分析するための基礎数学力
  • データ分析専門書を読むための解析学や線形代数の知識
  • 統計を処理するための各種ツール(ExcelやSPSSなど)を使いこなすスキル

統計知識が必要な理由は、データから価値を見出すには、適切な統計の処理をする必要があるからです。統計知識を用いることによって、抽出したデータに対する共通点を確認し、仮説やインサイトを導き出すことが可能となるわけです。

このように、統計知識を身に着けることは、データ分析コンサルタントになるうえで避けて通れません。

IT知識

データ分析とITは密に関係しているため、データ分析コンサルタントにとってIT知識は重要です。

なかでも、データベースや分析基盤環境の構築・運用などに関する知識が求められます。

なぜなら、データ分析コンサルタントの役割としてデータの集約と可視化のために必要なシステム環境の支援まで含まれる場合があるからです。

データ分析がITなしで行われることはないため、IT知識も重要と言えます。

機械学習や深層学習に関する知識

機械学習や深層学習を活用したデータマイニングは、主にエンジニアの仕事ではありますが、コンサルタントも最低限の知識を持っておく必要があります。

実務として機械学習や深層学習を使用しなくても、チームメンバーやクライアントとのコミュニケーションを円滑にするためには、知識が必要だからです。

具体的には、データマイニングを行った後の結果に対する判断を求められる、導き出された結果をビジネスへ活用するシーンで支援を求められるなどがあります。

データ分析コンサルタントを目指すうえで、機械学習や深層学習は最低限の知識を身に着けるべき領域です。

マーケティング知識

データ分析をマーケティングに活かす領域で活動する場合は、当然ながらマーケティングの知識は必須です。

マーケティングといっても幅広いため、求められる知識はケースバイケースですが、最低限マーケティングの手法や市場の分析方法などは理解しておく必要があります。

なぜならマーケティングは、市場調査や現状把握などでデータ分析をするプロセスが必ず入るため、データ分析コンサルタントに支援を求めるシーンが多いからです。

とくに近年であれば、SNSの活用が一般化してきたことから、SNS分析を通じたマーケティング知識が求められるケースが多くなっています。

経営知識

データ分析を経営改善に活かすなら、経営の知識は必須です。

とくにコンサルティングファームでは、クライアントの経営の根幹に携わる機会が多いため、経営に関する知識を広く有している必要があります。

プレゼンテーション力

データ分析コンサルティングは、データを分析して終わりではありません。

分析したデータを基に、最善の解決策を提案して、クライアント価値向上に務める必要があります。

そのためにはプレゼンテーション力が必要です。プレゼンテーション力がなければ、せっかく良いデータ分析ができても、クライアントを納得させることができず、価値向上することができません。

そのため、面接試験でもプレゼンテーション力を図られることが多くあります。

データ分析に必要なスキルは以下の記事で詳しく解説しています。

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データ分析に必要なスキル9選!データサイエンティストの仕事内容や勉強方法を解説

データ分析コンサルタントが保有しておきたい資格

ここまでで、データ分析コンサルタントには幅広いスキルが必要であることを解説してきました。

それでは、こうしたスキルを身に着けるうえでは、どのような資格が有用かをご紹介します。

概要
統計士 統計を基礎から体系的に理解し、統計的手法を身につけたい場合におすすめ。通信講座である現代統計実務講座(文部科学省認定)を修了することで取得できる。

受講期間は8ヶ月〜12ヶ月、データ分析の勉強を始めたい方がまず挑戦すると良い初級レベルの資格。

データ解析士 統計の基礎知識のある方で、統計的技法を仕事に活用したい方におすすめ。文部科学省認定の多変量解析実務講座を修了することで取得できる。

受講期間は4ヶ月〜8ヶ月で、統計士を取得した後に挑戦すると良い、中級レベルの資格。

統計検定 4級、3級、2級、準1級、1級の5段階にレベルが分かれており、自分のレベルに合った統計学の試験が選べる。

1級のみ、「統計数理」と「統計応用」の2つの試験に合格する必要がある。

基本情報技術者試験 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が提供する試験。

基本情報処理技術者試験はプログラマーやシステムエンジニアの取得が多く、統計士などに比べると専門性が高い資格。

応用情報技術者試験 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が提供する試験。

「応用」とつくように高度IT人材を目指す人のための資格で、基本情報技術者試験の上位に位置付けられている。

データスペシャリスト試験 データベースの設計や運用管理に特化した国家資格。上述の「応用情報技術者試験」からさらにステップアップした難易度の高い試験であり、データベースに関してより高いレベルのスキルが必要。
OSS-DB技術者認定試験 データサイエンティストに必要なデータベースの設計、開発、運用などの技術が備わっているかどうかを判断できる。

「Silver」と「Gold」の2つのレベルがあり、Goldを取得するには、Silverを取得が必須。

オラクルマスター オラクル社主催のデータベースの構築運用やデータベース管理の概要、SQLによるデータの抽出などを学ぶことができる世界共通の試験。

試験のレベルは、「Bronze」「Silver」「Gold」「Platinum」4段階となっており、Bronzeから順に試験を受ける必要がある。

G検定 ディープラーニングの基礎知識が問われるジェネラリストのための試験。
E資格 ディープラーニングの理論を理解し、実装する能力があるかを測るためのエンジニア向けの試験。
Python3 エンジニア認定データ分析試験一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が実施している試験であり、Pythonを使ったデータ分析の基本的な知識があるかどうかを測ることができる。

このように、データ分析コンサルタントにとって有用な資格は非常に多いことがわかります。

一方、すべての資格が必須なわけではなく、あなたが携わる分野・領域に合わせ、必要な資格を取得するのがおすすめです。

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まとめ

データ分析コンサルタントとは、数あるデータから有益な情報を抽出し、それをクライアント企業の課題改善に役立てる仕事です。また社会からの需要が高く、将来性のある職業と言えます。

データ分析コンサルティングには統計知識やIT知識など、幅広い知識に加え、プレゼンテーション能力といった、コミュニケーションスキルが必要になります。

こうしたスキルを身に着けるために、必要に応じて統計士やデータ解析士の資格も習得しておきましょう。弊社Liberty Nationでは、フリーランスのデータ分析コンサルティング向けの案件を紹介しています。ご興味のある方は以下バナーよりご登録のうえ、お気軽にご相談ください。

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