コンサルキャリア
2021.12.26
DXコンサルとは?仕事内容や案件事例、求められるスキルについて解説
「2025年の崖」を目前に控え、DX(デジタルトランスフォーメーション)に特化したコンサルティングのニーズが増加しつつあります。本記事では、DXコンサルタントの業務内容や求められるスキル、DXコンサル市場の現状について解説します。
DXコンサルの実際の案件事例も紹介しているので、戦略コンサルやITコンサルなどからDXコンサルへのキャリアシフトをお考えの方も、ぜひ検討材料にしてみてください。
DXコンサルとは
DXコンサルタント(以下、DXコンサル)とは、データやデジタル技術を駆使して、クライアント企業のビジネスモデルや業務プロセス、組織文化を変革する専門家です。
具体的には、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、IoT(Internet of things)やAI(Artificial Intelligence)、ブロックチェーン、SaaS(Software as a Service)といった最先端IT技術を活用することで、
コスト削減や生産性の向上、売り上げの拡大、働き方改革へと、クライアントを導きます。
2018年12月に経済産業省が発表した「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」によると「DXが進まなければ2025年以降、最大で年間12兆円の経済損失が生じる可能性も高い」という指摘がなされています。
経済産業省によるこの指摘は、「2025年の崖」という名称で一般に広く知られており、DX推進が国家レベルでの喫緊課題として位置付けられていることが窺い知れます。
出典:デジタルトランスフォーメーションを推進するための ガイドライン (DX 推進ガイドライン)
DXの現状については、下記の記事でより詳しく解説しています。
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DXコンサルの業務内容
DXコンサルの業務では「IT」と「新規事業」の2要素が絡みます。そのため、新規事業を手がける「経営・戦略コンサル」と、IT分野を手がける「ITコンサル」を掛け合わせたような業務を手がける点が特徴です。
具体的な業務内容は、主に6種類に分解することができます。これら6種類の業務内容を概観しながら、それぞれの業務において求められるスキルを確認していきましょう。
- 中長期的戦略の立案
- IT技術に関する提案
- ユースケースの作成
- 実行支援
- 組織編成
- 人材育成
中長期的戦略の立案
顧客企業の中長期的経営戦略を立案することによって、DXを実現するためのロードマップを設計します。経営コンサルや戦略コンサルに近い業務内容ですが、DXコンサルはIT技術を駆使した戦略立案が求められる役割です。
DXコンサルの考え方は「顧客中心主義」。顧客が何を求めているかを考え、IT技術を駆使しながら革新的なサービスを0から提案することを第一目標とします。
そのため、コンサルタント全般に求められる「ロジカルシンキング」や「コミュニケーションスキル」に加え、無から新しい価値を創出する「デザインシンキング」のスキルが求められます。
IT技術に関する提案
DXを推進するために革新的かつ効果的なIT技術の導入を提案することも、DXコンサルの業務内容に含まれます。
最適なIT技術を提案するためには、IT分野に関する知識を常にアップデートし続ける向上精神や、最適な技術を取捨選択するセンス、ITエンジニアとしての実務経験などが必要です。
ユースケースの作成
ユースケースとは、顧客企業がシステムを活用するための標準仕様書にあたる書類です。
顧客企業にIT技術者などが在籍していない場合、DXコンサルが中心となってユースケースを作成する場合もあります。
顧客が必ずしもIT分野に精通しているとは限らないため、開発者目線の難しい仕様書等ではなく、ユーザー目線のわかりやすい仕様書を作成するスキルが求められます。
実行支援
DXコンサルはIT分野に長けていることが大前提となります。そのため、案件によっては、開発、導入、保守、運用といったシステム導入への実務的サポートを求められる場合もあります。
そういった実務的サポートを必要とする現場においては、ITコンサルやITエンジニアとして培った実務経験やスキルが大いに役に立ちます。
組織編成
DXを推進するために、既存組織の見直しやデジタル組織への移行に向けた戦略を提案します。
そういった戦略を練る過程では、経営コンサルや戦略コンサルとして培った「柔軟性」や「調整力」「提案力」などを大いに発揮することができます。
人材育成
構築したDX体制を長期的に維持するためには、社内でDXを推進する「人材」を育成する視点も欠かせません。そのための人材育成をDXコンサルが担う場合もあります。
DX推進人材には、プロデューサー、ビジネスデザイナー、アーキテクト、データサイエンティスト、AIエンジニア、UXデザイナー、エンジニア、プログラマーといった人材が含まれます。
先述の既存組織を編成するケースと同様に、新しい人材を育成する場合にも、顧客企業の状況に応じた人材育成を提案する「柔軟性」や「調整力」「提案力」が求められるでしょう。
DXコンサルの案件事例
DXコンサルは一般的に、デジタル化の3段階(デジタイゼーション、デジタライゼーション、デジタルトランスフォーメーション)の一部もしくは全段階を手がけます。デジタル化の3段階と切っても切れない関係にあるのがSaaSです。
SaaS(Software as a Service)とは、社内サーバーの代わりにインターネット上のクラウドなどを経由して必要な機能を提供する仕組みであり、DXを推進する過程で避けては通れないものとなりつつあります。
たとえば、ブラウザのGoogle上で提供される各種サービスや、テレワークで使われることの多いZoom、Slack、Dropboxなども、SaaSの典型例です。SaaSとDXの関係に焦点を当て、それぞれの段階に該当する事例を見ていきましょう。
デジタイゼーション
デジタイゼーションとは、アナログで実施していた特定業務をデジタル化する段階です。
たとえば、次のようなケースがデジタイゼーションに該当します。
ある企業では、人事評価データをエクセル上で実施していましたが、人事評価が時系列で把握しづらく、短期視点で評価してしまうという課題を抱えていました。そこで、ソリューションとして、HRBrainというSaaSを導入。
その結果、人事評価業務の生産性が向上、評価データのログが可視化され、前回の評価の振り返りがしやすくなりました。
参照:DX推進室に聞くSaaS導入のポイント!導入事例5選!インタビュー先:ブランディングテクノロジー株式会社 | システム見直し本舗 | BIツール
デジタライゼーション
デジタライゼーションとは、特定業務に限らず、組織全体の業務フロー・プロセスをデジタル化する段階です。
たとえば、次のようなケースがデジタライゼーションに該当します。
ある企業では、タスク管理やコミュニケーションツールなどが部署間で統一されておらず、プロジェクトの進捗管理がしづらいという課題を抱えていました。そこで、ソリューションとして、BacklogというSaaSを導入。
その結果、社内全体の生産性が向上、タスクの抜け漏れ防止やスケジュール管理がしやすくなり、進捗に応じて最適な意思決定ができるようになりました。
参照:DX推進室に聞くSaaS導入のポイント!導入事例5選!インタビュー先:ブランディングテクノロジー株式会社 | システム見直し本舗 | BIツール
デジタルトランスフォーメーション
デジタルトランスフォーメーションとは、ビジネスモデル全体や提供する製品自体をデジタル化する段階です。ここでは、大手外資系ファームが手がけたDXコンサル事例を2つ見てみましょう。
事例①:AR技術により、自動車の購入体験を刷新
アクセンチュア社は、顧客企業であるBMW社の自動車販売を促進するためのソリューションとして、「BMW i Visualiser」というアプリケーションを開発。自動車購入体験にイノベーションを起こしました。
BMW i Visualiserでは、AR(拡張現実)技術を適用することにより、アプリの中で実物大の車をさまざまな角度から眺めたりカスタマイズすることが可能になりました。
参照:アクセンチュア|スワイプしてAR体験 自動車業界におけるイノベーション
事例②:IoT技術とビッグデータ解析によるプリンター生産ラインの効率化
アビームコンサルティング社は、顧客企業であるブラザー工業のプリンターIoTプロジェクトを支援。ソリューションとして、紙詰まりや印字不良の可能性を出荷前に事前検知するシステムを提案しました。
試作品段階のプリンターのビッグデータに定量解析を適用することで、プリンター設計プロセスでの手戻りの削減と出荷後の不具合発生率を大幅に下げることが可能になりました。
参照:アビームコンサルティング|データを活用した研究・設計開発でプリンターの不具合発生の可能性を未然防止
DXコンサル市場の現状
DXコンサルは比較的最近登場した職種であるため、戦略コンサルやITコンサルなどに比べ、求人数は多くありません。戦略コンサルやITコンサルが実態的にはDXコンサルと同様の業務変革コンサル支援を任されているのが現状です。
ただし、社会においてDXの流れが加速の一途をたどっているため、DXコンサル市場にも将来性が期待できます。
記事の冒頭でも触れたように、経済産業省が指摘している「2025年の崖」が数年後に迫っている現状を考慮すると、今後数年以内にDXコンサルのニーズが急騰することが予測されます。
そういった時流にうまく乗っていくためには、今のうちからIT分野の経験を積んでおくことがおすすめです。より具体的には、次のような経験を積んでおくと、将来的にDXコンサルとしての市場価値が高くなるでしょう。
- SIer、社内SE職などにおけるシステム導入や開発経験
- コンサルティング経験
- 組織を横断するプロジェクトの推進経験
- 業務改革、プロセス改革等の経験
- 事業創造、新規事業立案の経験
下記の記事では、DX関連の人材やDX関連の副業について解説しています。
▼関連記事
DX人材とは?代表的な職種や必要なスキル・マインドを徹底解説!
DX領域で副業をする方法とは?副業事例や副業先の探し方を解説!
DXコンサル・サービスを提供している企業やコンサルティングファーム
ここでは、DXコンサルやDXサービスを提供している、代表的な企業やコンサルティングファームを紹介します。
下記の表で紹介している企業・コンサルティングファームでは、主に戦略コンサルがDX関連のコンサルティングを担当しているようです(2021年11月現在)。
企業・コンサルティングファーム名 | 得意な領域 |
---|---|
マッキンゼー・アンド・カンパニー | データ・AIの活用/新技術導入/オペレーション最適化・自動化などをDX促進・支援 |
アクセンチュア株式会社 | 基盤システムの絶え間ない活用と進化をアプローチする「Living Systems」を提唱し、戦略/組織/プラクティス/アーキテクチャ/人材に焦点を当てたDX促進・支援 |
株式会社NTTデータ | ビッグデータ・BI/AI/ロボティクス/IoT/クラウド/決済などのを活用したDX促進・支援 |
株式会社エル・ティー・エス | ビジネスモデルの確立/企業改革/人材などトータルにDX支援・自走まで行う |
株式会社日立コンサルティング | ワークスタイル/組織/オペレーション/マーケティングなどの改革をDXで支援 |
まとめ
DXコンサルタントは、DX(デジタルトランスフォーメーション)の観点から、クライアント企業が抱える課題の解決を手助けする専門家です。その業務内容は「IT」と「新規事業」の2軸が絡むという特徴があります。
「2025年の崖」というタイムリミットを目前に控え、社会全体においてDXの流れが加速の一途をたどっているという現状を考慮すると、DXコンサル市場は今後数年以内に急騰することが予測されます。
そのため、経営・戦略コンサルやITコンサルからDXコンサルへの転向を検討されている方は、急騰直前の今がまさに、キャリアシフトの好機といえます。
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