業務・業界・技術

2021.10.13

DX領域で副業をする方法とは?副業事例や副業先の探し方を解説!

コンサル募集

「DXの領域で副業をしたいが、どのように案件を見つければいい?」「副業をする場合、マッチングサイトとマッチングエージェントどちらを利用したらいいのかわからない」と疑問に感じていませんか。

昨今DX市場の堅調は、成長を背景にDX領域における副業人材への需要も伸びています。

新型コロナウイルスによるリモート勤務の定着化や市場でのDX人材の枯渇など複合的な要因があり、DX領域での副業は案件単価が上がりやすく、働き方を選びやすい環境が整いつつある点が特徴的です。したがって、DX領域での副業がおすすめであると言えます。

当記事では、DX領域の市場状況や需要が伸びている背景、副業事例、副業案件の獲得方法まで網羅的にご紹介します。

DXとは?


DX(デジタルトランスフォーメーション)とはそもそも何か紹介します。

DXの定義

2018年に経済産業省より発表された「デジタルトランスフォーメーションを推進するための ガイドライン (DX 推進ガイドライン) Ver. 1.0」によると、DXの定義は以下のとおりです。

”企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。”
出典:デジタルトランスフォーメーションを推進するための ガイドライン (DX 推進ガイドライン) Ve

DXの広義の定義は複数ありますが、本稿では上述の定義で紹介を進めさせていただきます。

DXの市場規模

株式会社富士キメラ総研の「2020 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」によると、2019年度のDXの国内市場規模(投資額ベース)は7,912億円と巨大な市場を形成しています。

また、2030年度は3兆425億円と2019年比で3.85倍の市場規模になる予測であり、DX市場は2030年度にかけて堅調な成長をする見込みです。
出典:『2020 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望』まとまる(2020/10/23発表 第20112号)

2019年度では、交通・運輸の市場規模が最も大きく2030年度にかけても最大の伸長を見せながら拡大していくとみられています。社会的な課題である安心への取り組みや、CASEへの対応を始めとした新領域への投資が活発化していると言えるでしょう。

また、製造、不動産、その他の業界は人手不足とデジタル化の遅れを背景に非効率なビジネスプロセスが多いです。業界変革のために投資が増加しており、2030年度に向けて高伸長を見せるでしょう。

DXで需要が高い領域

株式会社電通デジタルが発表した「日本における企業のデジタルトランスフォーメーション調査(2019年度)」を掲載します。

業務プロセスや業務システムの先進化(24%)、製品サービスや業務に対するテクノロジー活用(22%)、IT基盤の構築やソリューションの導入(21%)をはじめとする、導入・活用・戦略策定といったITコンサルタントが活躍できる領域の需要が高いことがわかります。
出典:「70%が着手」と本格化進む日本企業の DX 成果創出のカギは経営トップのコミットメント

DXの計画・取り組み領域 割合
業務プロセスや業務システムの先進化 24%
製品サービスや業務に対するテクノロジーの活用 22%
IT基盤の構築やソリューションの導入 21%
データ活用推進のための戦略策定 20%
ビジネスモデルの変革進化 17%
新規事業やサービスの開発 15%
デジタル全社戦略の策定と実行 15%
デジタル戦略に即した組織の開発や再編成 15%
デジタルスキルを向上させるための人材開発教育や採用 14%
イノベーション文化の醸成や推進 13%
部門間連携の強化 12%
顧客にとって新しい価値を創造するためのビジネスパートナーとのアライアンス 12%
顧客体験向上のためのマーケティング革新・高度化 11%
デジタル時代に対応する事業でメインへの進化・変革 10%
顧客中心主義の推進 10%

参照:「70%が着手」と本格化進む日本企業の DX 成果創出のカギは経営トップのコミットメント

全体的に前年比で減少幅が目立つ中で「データ活用推進のための戦略策定」が前年比で+3%となっており、企業がデータ活用推進に対する強い関心があることがわかります。したがって、データアナリストなど情報分析を副業とすると単価が上がりやすいと予想されます。参照:「70%が着手」と本格化進む日本企業の DX 成果創出のカギは経営トップのコミットメント

以上から、企業の関心領域である「データ活用推進のための戦略策定」×DX市場の伸長が大きい業界「交通・運輸、製造、不動産」での副業は、単価が上がりやすいと予想できるでしょう。

また、戦略策定の中でも複数の領域をワンストップで提供できるコンサルタントであると、さらに単価が伸びる傾向にあります。たとえば以下のような専門性の組み合わせであると案件単価が伸びる可能性が高いです。

  • AI×データ
  • データ(DX)×テクノロジー×戦略

弊社Liberty Nationが得意としている領域が、まさにデータ(DX)×テクノロジー×戦略の部分です。

DX副業人材が市場から求められている理由

DXの国内市場規模が堅調に成長している背景をご紹介します。

理由①:ITシステム2025年の崖

経済産業省が2018年に発表した「DXレポート」によれば、企業の基幹システムやソフトウェアなどがレガシーシステム化する中で国際的な競争力が失われれば、2025年から3年間で12兆円の経済損失があると予想されています。
出典:DX レポート 平成 30 年9月7日 デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会

現在、企業は莫大な経済損失を回避すべくレガシーシステムの現状を把握し、あるべきシステム構成を模索する段階です。緊急性のある状況の中で、高い知見を素早く取得できるDX副業人材が求められています。

ここでDX副業人材に求められるスキル例をご紹介します。

例に挙げるのは、COBOL人材です。現状のレガシーシステムはプログラム言語COBOLで設計されている場合がありますが、COBOLをメンテナンス可能な人材は定年退職を迎える世代にあたるため、市場に人材が枯渇しています。

COBOLのメンテナンスができないために、新たなシステムに移行できない事象が発生しているのです。また、2025年以降もレガシーシステムを使い続ける企業は多いと予想される一方で、COBOL人材は市場から減少し続けてることもあり、COBOLのスキルのある人材は副業人材として需要があるでしょう。

以上のように、自身のスキルや経験に需要が無いとご自身で思い込んでいても需要がある場合もあるため、まずはマッチングエージェントへの副業相談をおすすめします。

理由②:Society 5.0

政府主導で「Society 5.0時代の持続可能な地域社会の貢献施策」を実施している中、Society 5.0を支えるITインフラ基盤開発が盛んに実施されています。以下、Society 5.0の例です。

  • GIGAスクール構想
  • 公共サービスのスマート化
  • ITを利用したキャッシュレス社会の実現
  • STAEM教育の実施 など

一方で、DX人材の給与相場からすると、公的機関の年収は相対的に低いため、フルタイムとして雇い入れるのは難しい現状があります。その点、DX副業人材であればスポット的に採用が可能です。公的機関の需要とマッチングしているため、DX副業人材が求められています。

直近では、2022年1月1日より電子帳簿保存法の大幅緩和、2023年10月よりインボイス制度の導入など法律面でのSociety 5.0対応が進んでおり、今後Society 5.0は引き続き推進されると考えられます。したがって、DX副業人材への需要も高まるでしょう。
出典:Society 5.0時代の持続可能な地域社会の貢献施策

理由③:新型コロナウイルス

株式会社電通デジタルが発表した「日本における企業のデジタルトランスフォーメーション調査(2020年度)」によると、新型コロナウイルスの流行を背景としてDXに着手している企業の約半数が「加速する」とアンケートに回答しています。
出典:日本企業のDXはコロナ禍で加速するも推進の障壁はDX人材の育成

また、「中断/原則する」と回答したのは企業の4分の1に留まったことから、新型コロナウイルスの流行がDXを後押ししていることがわかります。

新型コロナウイルスの流行により出社が抑制され、テレワークが普及しました。結果、人々の働き方、生活の仕方が大きく変わり、非対面での活動が増えています。

新型コロナウイルス流行以前までオフラインでの活動が主軸で合った企業は、売上の維持または向上のためにDXの活用が必須であり、オンラインを軸としたオフラインの活用(OMO)の発想が求められていると言えるでしょう。

理由④:市場にデータ分析人材が少ない

doda社が提供する「2021年3月発行職種別マーケットレポートITエンジニア」によれば、データ分析が可能な人材(ここではデータサイエンティストと定義する)の2020年12月~2021年2月の登録者数は2020年9月~11月対比97%と減少しています。一方で、2020年12月~2021年2月の求人数は2020年9月~11月対比112%と増加していることがわかります。
出典:ITエンジニア中途採用マーケットレポート(2021年3月発行)|doda中途採用をお考えの法人様へ

したがって、市場からの需要はあるもののデータ分析が可能な人材が市場に足りていないと言えるでしょう。データ分析はDXの要となる業務であるため、DX領域の中でもデータサイエンティストへの副業需要が非常に高いと考えられます。

データサイエンティストへの求人の中では、DWH構築などのデータ基盤の構築にも関わるテクニカルスキルが求められるデータエンジニアリング領域の求人数の比率が高いです。

とりわけ、ビッグデータを活用したマーケティングに力を入れているヘルスケア、アパレル、EC、モバイル、広告、金融・保険、電力、自動車、IT業界での採用ニーズが高い点が特徴的でしょう。

学生時代の統計解析の学習経験やPython、Rを利用してのプログラミング経験があればチャレンジ可能という求人も多いです。少しでもデータサイエンティストとしての副業が可能であるならば、応募をおすすめします。

DX副業人材を採用した事例


DXに取り組む企業や自治体が、DX副業人材を採用した事例をご紹介します。

事例①:東京にいながら地方の課題を解決する

神戸市役所東京事務所が「神戸市への移住を促進する」を目的に、2人の副業人材を雇用しています。2人はともに都内大手人材サービス企業に所属しており、それぞれがデータ分析、豊富な新規事業開発経験を見込まれて雇用されました。

アサイン後は、データ分析とコミュニケーションプランの作成をタスクとして実施、稼働時間は平日1〜2時間、報酬は月間10万円(1人当たり)です。

2人のそもそもの神戸市の副業への応募理由は「愛媛出身でありいずれ関西に戻り仕事をしたい。その中で副業を通じて人脈形成をしたい。」、「1つの場所にとらわれず仕事をしたい。」というものであったため、非常に満足して働けているご様子です。

神戸市の事例の場合、35人の定員に対して1287名の応募があり応募倍率は36倍と非常に高倍率であることがわかります。また、兵庫県外からの求人数は704人と全体の55%を占めていることから、リモート勤務可能である魅力的な案件には全国から応募があることもわかるでしょう。

したがって、一部の採用条件が魅力的な案件には全国各地から応募があり高倍率になることが予想されますので、魅力的な求人を見つけた場合は早めの応募をおすすめします。

参照:副業IT人材が挑む行政や中小企業のDX、コロナを人材獲得の契機に|日経クロステック

事例②:Society 5.0を背景として課題解決に取り組む

文科省が掲げた「GIGAスクール構想の早期実現」を目的に、さいたま市教育委員会が副業人材を募集しています。

1人1台の端末提供と高速高品質の通信インフラの構築を目指すGIGAスクール構想は、新型コロナウイルス感染対策を背景として計画が前倒しされています。さらに、構想の難易度を踏まえ、民間のICT・IT領域のプロフェッショナルとの連携が必要と判断した背景から、スポットで専門知識を活用可能な副業人材の募集を開始しました。

GIGAスクール構想において、副業人材には1人1台のデジタル端末の提供(インフラ整備)のみならず、提供後の運用設計やセキュリティ要件の定義、オンボーディングプログラムコンテンツの作成など、包括的なタスクが割り振られています。

したがって、副業人材に対して教育委員会だけでは気づくことの出来なかった、民間事業者としての提案をもたらすことを期待されています。

以上のように、副業人材だからといって特定領域の特定タスクのみに従事するわけではなく、業務全体を俯瞰したタスクを実施できる点に副業の魅力があるでしょう。

参照:副業DX人材求む。女性教育長が描く「学びのICT改革」の未来図|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

事例③:渋谷区がDX支援のため副業人材を採用

2021年4月、渋谷区区役所が「渋谷区スタートアップ支援」を目的にコミュニティマネージャー、スタートアップ招へい施策推進、海外プロモート支援、実証実験の推進といった業務を担当する副業人材を募集しました。

結果、外資系戦略コンサルティングファームや経営コンサルティング経験者、社内の教育制度の構想および構築経験者、広告領域のプロダクト責任者など多様な人材が採用されています。

採用人数11名に対して、692名の応募があり採用倍率は63倍と非常に高倍率の中での採用となっており、採用された人材は東京都在住のみならず、32%は東京以外の地域や海外からの参画でした。
出典:

以上から、副業案件の中には地域を問わず副業可能な案件があることがわかります。

参照:「副業人材」11名の就任式を開催しました|渋谷区 広報コミュニケーション課

事例④:コンサルファームがDXを推進した事例

続いては、IBMが手掛けた顧客体験創出の事例についてです。IBMはワコールを支援し、リアル店舗のデジタル化を推進しています。

ワコールは女性用インナーウェアを販売しており、「女性同士であっても、販売員からのインナーウェア購入に抵抗がある」という意見や、「自分のサイズに合った最適な商品を選びたいものの、計測してもらうのは恥ずかしい」という意見を顧客から得ており課題感を抱いていました。

この課題を解決するために、IBMのAIにワコールの接客ノウハウを学習させた接客AIと、試着室の中で自分の身体のあらゆるサイズを5秒で計測できる3Dボディスキャナーを独自に開発、課題の解消に取り組んでいます。

結果、接客AIによって店舗に置いてあるタブレットから簡単に操作可能なため、気兼ねなく自分に合うインナーウェアを探すことができるようになりました。3Dボディスキャナーによって、販売員による計測のわずらわしさや恥ずかしさを感じることもなくなったとVOC上も訂正データを得ています。

以上のように、DXの専門家が採用される事例がコンサルファームからだけではなく、副業人材からも多数案件事例があります。

したがって、コンサルティングファームや大手企業に所属していなかったとしても、特定分野に対する知見があると自負している場合、その旨をマッチングエージェントへ伝えることをおすすめします。

参照:「テクノロジーでお客様と寄り添う未来」に向けたワコールのデジタル変革

DX領域での副業を支援するマッチングサービスが増加している


DX領域の市場拡大に伴い、副業人材と企業をマッチングさせるサービスが急増しています。

一例として、以下では大手クラウドソーシングサービス提供会社のクラウドワークスが提供する副業プラットフォーム「クラウドリンクス」の事例を紹介させてください。

クラウドリンクスでは、2020年1月のサービス開始より登録ユーザー数が9,000人を超える盛況ぶりを見せています。累計利用企業数は400社以上、掲載案件数は700件を超えており、このうち6割がDXを推進させる事業を営む企業による利用です。
参照:DX推進企業で、副業人材の活用が進む ~クラウドリンクスを利用する約6割が需要高まるDX推進企業、 高度人材のスピード参画が実現する副業人材活用が顕著に~ | ニュース

以上のように副業マッチングサービスは増加しており、副業を希望する方は数多あるマッチングサービスの中から、ご自身の要望にあうサービスを選択する必要がある点に注意してください。

DX領域での副業をするならマッチングエージェントの利用が効率的

DX領域で副業が盛んになる中で、企業とDX副業人材のマッチングを支援するエージェントが現れています。当記事では、DX領域で副業をするのであればマッチングエージェントの活用をおすすめさせていただいています。理由は以下の通りです。

理由①:競争倍率が低い

マッチングサイトを利用して副業を探す場合、お手軽に副業を始められる反面、登録ユーザーが多く早期に副業が決まらないことがあります。

この点、マッチングエージェントであれば応募者の適正に合わせて副業を紹介しますので早期に副業先を見つけることができる点がメリットです。

また、マッチングエージェントが副業希望者のスキルや意向を汲んで副業案件を紹介しますので、ミスマッチが起きづらい点も魅力的でしょう。副業案件でトラブルがあり、本業に影響を与えては本末転倒ですので、マッチングエージェントの利用をおすすめします。

理由②:手数料がかからない

マッチングサイトを利用して副業を探す場合、仲介手数料として15%~25%程度をシステム利用料の名目で給与から差し引かれることが多いです。

この点、マッチングエージェントであれば、直接クライアントとやり取りをする分、仲介手数料を節約できる点がメリットです。

また、顧客からの評価によっては案件単価アップを狙える点も魅力的でしょう。テック人材が不足している現状では、価値の出せるテック人材は非常に貴重です。したがって、顧客からの評価が得られれば単価アップは難しくないと予想されます。

まとめ

DX領域の市場規模は年々成長しています。背景には2025年の壁や新型コロナウイルスによる生活変容があり、DX市場の成長は底堅いことが大方の予想です。

また、同時にDX副業人材の需要も高まっており、企業がDX副業人材を採用する事例も増えています。したがって、DX領域でスキルや経験をお持ちであれば副業でのスキル活用はおすすめであると言えるでしょう。

DX領域で副業をする場合はマッチングサイトよりもマッチングエージェントがおすすめです。弊社Liberty Nation(リバティネイション)も同じく、RPA案件で副業ができる人材を募集しています。こちらのフォームよりぜひご登録ください。

コンサル募集