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2021.10.13

ITコンサルを副業で始めたい!始め方や単価相場・仕事の探し方も徹底紹介

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ITコンサルを副業で始めたいと考えている方の中には、始め方や案件を得る方法、どれほどの報酬が得られるかなど、知りたいことや不安を抱えている方もいるでしょう。

IT人材の不足や2025年の壁などを背景に、ITコンサルタントの副業需要は高いため、要件を満たすのであればITコンサルタントの副業はおすすめです。

一方で、確定申告が必要というデメリットがありますが、同時に収入や実績を増やせるためメリットもあります。したがって、メリット、デメリットを総合的に判断して副業を実施するかご判断ください。

当記事では、ITコンサルタントが副業前に知っておくべき事項、副業を実施するメリット、デメリット、副業前の準備事項まで網羅的にご紹介します。

ITコンサルタントを副業で始める前に知っておくべき4つのこと


ITコンサルタントを副業で始める上で、知っておくべきことは以下の通りです。

①ITコンサルタントは副業や独立がしやすい職業

ITコンサルタントは本業のノウハウを生かして副業がしやすい職業です。豊富な知識や高い能力が要求される一方で、公認会計士のような占有業務ではないため、資格の取得が必須でない点に特徴があります。

したがって、自身の得意分野で存分に力を発揮できる点がITコンサルタントで副業をするメリットといえます。

ITコンサルタントで副業案件にアサインされる場合、特定分野での専門家としてアサインされるため、部下のマネジメントや会社の雑務から解放され、ご自身の専門性や興味のある技術を磨き続けられる点も特徴的です。

副業案件として非常に魅力的なITコンサルタントですが、成長分野であるにもかかわらず、人材不足が目立ちます。したがって、案件を獲得するまでのリードタイムは短時間で済む点も魅力的でしょう。また、長期アサインにつながりやすい大手案件を獲得しやすいメリットもあります。

②DX人材としての副業需要が高まっている

DX(デジタルトランスフォーメーション)の需要の高まりを背景に、ITコンサルタントへの求人が増えています。DXの需要の高まりの理由は以下のとおりです。

背景1|2025年の崖

経済産業省が2018年に発表した「DXレポート」によれば、企業の基幹システムやソフトウェアなどがレガシーシステム化する中で国際的な競争力が失われれば、2025年から3年間で12兆円の経済損失があると予想されています。したがって、企業担当者は早急なレガシーシステムのリプレイスを求められています。
参照:DX レポート 平成 30 年9月7日 デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会

一例として、大企業向け基幹システムとして高いシェアを誇るSAP Business Suite 7(SAP)の保守が2025年に切れる見込みです。

SAPは各モジュールの専門性が高く企業内のリソースで対応が難しい側面があり、新システムへの移行ないし、リプレイスを実施する場合外部リソースを頼るしかない現状があります。

背景2|IT人材の不足

2025年の壁がある中で早急なシステムリプレイスが求められますが、企業内にシステム人材が不足しているため対応が追いついていないのが企業の現状です。

経済産業省が発表した「IT人材需給に関する調査」によれば、2030年には最大79万人のIT人材が不足する見通しであり、各企業でIT人材の確保に苦慮しています。
参照:- IT 人材需給に関する調査 - 調査報告書

Slerやコンサルティングファームから専門家をアサインする場合、アナリスト階級でも1人月あたり150〜200万かかることもあります。副業人材の方が低単価で採用できる場合があるため、企業からすると副業人材をアサインするメリットは大きいです。

③SEやITエンジニアでも始められる

SEやITエンジニアの業務内容はITコンサルタントの業務と似て非なるものですが、コンサルティングスキルを備えているSEやITエンジニアの方であれば、ITコンサルタントとして案件を獲得できるでしょう。

  • SEやITエンジニアの一般的なスキル以外で、ITコンサルに必要なスキル例は以下の通りです。
  • ITの技術動向に関する知識
  • 業界知識(金融、物流、製造業界など)
  • 業務知識(会計、人事、サプライチェーンなど)
  • コミュニケーション能力(顧客折衝が可能なだけの能力)
  • 論理的思考力 など

④副業可能な企業に勤めているかは必ず確認しておく

職務専念義務・信用確保のために就業規則上副業を禁止しているケースがありますので、現在所属している企業が副業可能かどうかを確認する必要があります。とりわけ、同業種での副業を禁止している企業が多いです。

副業が許可されていないにもかかわらず、副業をしてバレてしまった場合、就業規則違反になり、社内でのポジションが危うくなる場合がありますので注意してください。

コンサルティングファームに勤めている場合

コンサルティングファームの場合、副業を許可していない場合が多いです。

なぜなら、コンサルティングファームはクライアントファーストを掲げており、空いている時間を活用する副業はクライアントファーストの方針から逸れるからです。また、利益相反の観点からも副業を禁止している企業は多いです。

一部副業を許可している企業があります。企業例は以下の通りです。

  • A.T.カーニー
  • ローランド・ベルガー
  • アクセンチュア

IT企業に勤めている場合

日経コンピュータが2019年10月末〜11月に行ったアンケート調査によると”回答企業21社のうち76%に当たる16社が副業を「容認」している”とのデータがあり、IT企業は副業を推進している傾向にあると言えるでしょう。
出典:主要IT企業の76%が副業解禁、挑んで分かった「意外な効果」とは

アンケート結果で副業を容認していると回答した企業は以下の通りです。

企業名 副業を容認か禁止か 副業の対象社員 許可・報告が必要か
DeNA 容認 契約社員なども含む 許可制
KDDI 禁止
NEC 容認 正社員のみ 許可制
NTTコミュニケーションズ 容認 正社員のみ 許可制
NTTデータ 容認 契約社員なども含む 許可制
NTTドコモ 容認 契約社員なども含む 許可制
NTT西日本 容認 契約社員なども含む 許可制
SCSK 容認 契約社員なども含む 許可制
TIS 容認 臨時雇用以外の社員 許可制
アクセンチュア 禁止 申請毎に個別審査
伊藤忠テクノソリューションズ 禁止
サイバーエージェント 容認 契約社員なども含む
サイボウズ 容認 契約社員なども含む 原則不要
ソフトバンク 容認 契約社員なども含む 許可制
日本IBM 容認 正社員のみ 許可制
日立製作所 禁止  –  –
富士ソフト 容認 契約社員なども含む 許可制
富士通 容認 正社員のみ 許可制
メルカリ 容認 契約社員なども含む 不要
楽天 禁止
リクルート 容認 正社員及び契約社員 許可制

出典:主要IT企業の76%が副業解禁、挑んで分かった「意外な効果」とは

上記のように許可制をとっている企業も多々あります。いずれにせよ所属している企業の就業規則の確認は必ず行ってください。

ITコンサルタントの副業案件の種類


ITコンサルタントの副業案件は大きく2種類あります。

コンサルティング

ITを活用した企業の課題解決を実施します。構想策定から要件定義フェーズから参画し、業務改善、ツール導入、ベンダー選定などを業務として担当します。

経営視点で顧客の課題を洗い出し、施策を検討するため、SEやITエンジニア業務にはない俯瞰した視点で業務を整理する能力が求められる点が特徴的です。

組織作りや研修

ITを活用する前提となる業務・運用に対する課題解決を実施します。IT技術活用のための人材育成・研修に関する支援を行う案件です。業務の一例として以下があります。

  • IT部門や情報システム部門立ち上げ
  • 業務体制
  • 業務フロー策定
  • 評価制度
  • 研修制度の構築など

システムを検討するにあたり、検討の土台となる業務フローやシステム構成図が未整備の顧客が多いです。したがって、システムコンサルティングの前に、顧客の業務整理の案件は多数存在します。

ITコンサルタントの副業案件の報酬

ITコンサルタントを副業で実施する場合、報酬体系と報酬額は以下の通りです。

時間報酬型

時間報酬型では、ITコンサルタントが業務に従事した時間に応じて報酬が支払われます。ITコンサルタントが案件を獲得する主な手段であるマッチングサイトとマッチングエージェントの報酬目安は以下の通りです。

  • クラウドソーシングサービスで募集されている案件
    1時間1,000〜1,500円という案件が多く見受けられます。
    参照:ITコンサルティングの仕事を探す | 在宅ワーク・副業するなら【クラウドワークス】
  • スポット案件を多く取り扱うマッチングエージェント
    低いものでは1時間5,000円案件です。ただし、1時間10,000〜30,000円や20,000〜70,000円などもあり、案件内容によって大きな差があります。
    参照:アドバイザー募集中の公募コンサルティング案件を探す

固定報酬型

固定報酬型では、ITコンサルタントが参画したプロジェクトごとに単価が決定します。固定報酬型の単価目安は、1案件につき15〜20時間の稼働で10〜30万円程度です。

弊社Liberty Nation(リバティネイション)では、年収2,000万円のITコンサルタントがプロジェクトに参画した場合、時給換算すると14,000円前後(28万/20時間)となります。

ただし、固定報酬案件はグレーゾーン依頼のリスクを鑑み、弊社での契約実績は多くありません。

副業でITコンサルタントを始める方法


ITコンサルタントとして副業を始める方法を紹介します。

始めるための準備段階から解説しますので、現在の状況と照らし合わせながら今後どう動くべきかの参考にしてください。

ステップ①実務経験を積む

ITコンサルタントの仕事を副業で行うためには、多くの場合、実務経験が必要です。現在SEやエンジニアとして働いている場合でも同様です。なぜなら、求められるITスキルレベルに大きな違いは無いものの、仕事の進め方が大きく異なるからです。

したがって、コンサルタント業務が未経験である場合、副業を始める前に、まずコンサルティングファームへの転職をおすすめします。

ただし、コンサルティングファームではIT系の事業会社と異なり(作業効率・成果物の品質重視)の仕事の進め方をしますので、相応の覚悟が必要です。

ステップ②副業のための時間確保

副業を実施するための作業リソースを確保する必要があります。

平日の夜間や休日など、副業に割ける時間を固定で確保しましょう。突発的なタスクへの対応や会社行事への参加などで固定的に副業のための時間を確保できない場合、残業の少ない会社に転職するなどして副業可能な状況を整える必要があります。

ステップ③自分のもつ実績やスキルの整理

ITコンサルタントを副業で行うのであれば、実績やスキルを整理する必要があります。

コンサルティングファームに在籍している場合、プロジェクトアサイン面談に使用するレジュメを更新していくことで、副業のレジュメに転用できますのでご活用ください。

アサイン面談時にプロジェクトにアサインするメリット・デメリット(経験が不足するスキル、業務)をプロジェクトマネージャーに明確に伝えられるように準備をしておきましょう。

ステップ④実際に副業案件を獲得する

副業でITコンサルタントの案件を獲得する方法を紹介します。獲得方法は以下の通りです。

副業向けマッチングサービス・エージェント

ITコンサルタント向け副業マッチングサービスは多数存在します。大別すると以下の2分類のサービスがあります。

  • マッチングサイト
    マッチングサイトは登録して自ら応募します。お手軽に始められる反面、登録ユーザーが多く早期に副業が決まらない場合があるでしょう。
  • マッチングエージェント
    キャリアアドバイザーなどのサポートがあるマッチングエージェントでは、自分のスキルを活かせるとともに希望に合う案件を紹介してくれます。

弊社Liberty Nation(リバティネイション)はマッチングエージェントに該当します。

クラウドソーシング

クラウドソーシングサービスに登録して案件を獲得する方法があります。クラウドソーシングサイトで有名なサイトは以下の通りです。

  • CrowdWorks
  • Lancers

ただし、クラウドソーシングサイトの場合、システム手数料が15〜25%給与から差し引かれる点に注意が必要です。また、副業向けマッチングサイトと同様に早期に副業が決まりづらい傾向にあります。

また、掲載求人の中心が単純労働ですので、ITコンサルタント向け求人は少ない点に留意してください。

法人営業(テレアポ・DM)

企業へテレアポやDMで直接営業をする方法です。企業にとっては直接採用ができ、時間と金銭面の両方でコスト削減が可能というメリットがあります。

ただし、正社員としての応募ではなく、スポットでの採用希望である点はかならず伝えましょう。トラブルの元になります。

SNSやWEBでの発信

SNSやYouTube、ブログ、ホームページなどで自分のノウハウや実績を発信し、案件依頼を待つ方法があります。

有益な情報を発信することで、セルフブランディングをしつつ案件獲得を期待する手法です。

副業でITコンサルをするメリット

副業でITコンサルをする場合のメリットを紹介します。

土日祝の空いている時間で働ける

ライフプランに合わせた働き方ができる点がメリットです。
土日のみの稼働や平日の夜1~2時間のみの稼働も求人としてありますので、ご自身の生活に合わせた案件を選択できる点がメリットです。

受注案件が増えれば大幅な収入アップが見込める

ITコンサルの案件は単価が高いものが多いため、企業に勤めながら大幅な収入アップが見込めます。最初は低単価だったとしても、続けて実績や経験を積めば報酬額を交渉することもできるでしょう。

また、マッチングエージェントを利用して案件を受注した場合、キャリアアドバイザーを介しての単価アップ交渉が可能なため、顧客に価値提供をした分だけ収入アップを狙える点も魅力的です。

独立の準備ができる

副業で多くの案件を経験すれば実績も収入も増え、独立の準備ができます。副業をしつつ、副業が軌道にのれば独立開業の道も見えて来るでしょう。

一般的に副業を経験してから独立したほうがリスクが低いと言われています。なぜなら、正社員から突然独立開業をしてしまうと、受注案件が無く貯金を切り崩しながら生活することになりがちだからです。

この点、副業経由の独立開業であればクライアントのコネクションと信用を築きつつ独立開業準備が出来ますので、リスクが低いと言えるでしょう。

副業でITコンサルをするデメリット

副業でITコンサルをする場合のデメリットを解説します。

副業収入が20万円を超えた場合は確定申告が必要

副業の収入が年間20万円を超えた場合、確定申告が必要であり、事務処理手続きの手間が発生する点がデメリットです。また、住民税は20万円以下でも確定申告が必要なため、副業をした場合は事務処理手続きの手間が増える点に注意しましょう。

ただし、昨今では確定申告ツールが普及してきたこともあり、インターネット上で時間をかけずに確定申告を実施できます。したがって、想像よりも短時間にシンプルに確定申告を完了できるでしょう。

また、青色で確定申告を実施する場合、青色申告特別控除として65万円を所得から控除できるなどのメリットもあります。したがって、一定額を給与所得のみで稼ぐよりも、副業収入(事業所得)も並行して稼いだ方が所得控除できる分お得であると言えるしょう。

以上のように確定申告の手間が発生するものの、給与面でメリットもありますのでデメリットばかりではない点にご留意ください。

休んでいる時間が無い

休日を大切にしたいという方には副業はおすすめできません。なぜなら、副業をする場合、休める時間を削ってまで仕事をすることになるため、心身への負担がかかってしまうからです。最悪、本業へも支障をきたしてしまうでしょう。

給与がもっとほしい、将来のためにスキルを磨きたいなど明確な目的がある方にのみ副業はおすすめできます。それと同時に、体力・メンタル両面の強化を心がけてください。

まとめ

IT人材の不足を背景にITコンサルタントの副業需要が高いため、要件を満たすのであればITコンサルタントの副業はおすすめです。

一方で、確定申告が必要というデメリットがありますが、同時に収入や実績を増やせるためメリットもあります。したがって、メリット、デメリットを総合的に判断して副業を実施するか判断してください。

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