コンサルキャリア
2021.12.26
RPAコンサルタントになるには?必要なスキルや年収・単価相場を紹介!
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「RPAコンサルタントになる場合に必要なスキルは?」「RPAコンサルタントには未経験でなれる?」と疑問に感じていませんか。
結論、RPAコンサルタントには未経験でもなれます。ただし、顧客の課題感を整理し、施策を提案する課題解決力とRPAに対する知見をまずは身につける必要があります。
当記事では、国内におけるRPA市場の動向、RPAコンサルタントに未経験でなれるのかどうか、求められるスキル、RPAコンサルタントの単価相場までご紹介します。
RPAは多くの企業から注目されている
高齢化など複合的な要因により、RPAは企業から注目されています。
そもそもRPAとは
当記事のRPA(Robotic Process Automation)の定義は以下の通りです。
- パソコンで行っている作業を自動化するソフトウェアロボット技術
パソコン上でユーザーのマウス操作やキーボードの入力を記録し、その記録を高速かつ正確に実施するものを指し示す場合が多いです。業務を自動化するプロセスや業務を自動化するツールをRPAと呼称する場合もあります。
国内の市場規模
株式会社矢野経済研究所が発表した「RPA市場に関する調査を実施(2020年)」によれば、2020年度の国内市場規模は前年度比37.7%増の729億円でした。
RPA関連の書籍が盛んに出版され、RPAの存在が認知され始めた2016年比で756%増であり、堅調に市場が成長していることがわかります。
出典:RPA市場に関する調査を実施(2020年) | ニュース・トピックス | 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所 (yano.co.jp)
今後の市場規模予測
RPAの市場規模は今後も成長していくと考えられています。
一例として、RPA大手UiPathと内閣官房が提携し、新型コロナウイルスに関する共同施策を実施しているなど、国をあげて生産性の向上にRPAを活用している事例があげられるでしょう。
行政としても、労働人口の不足による生産性の低下を課題として認識しており、働き方改革を推し進める中で、労働力の代替としてRPAによる生産性向上を期待していることが伺えます。
また、 RPAにより自動化可能な業務の範囲は広く、さまざまな業務に転用可能な点が市場に認知されてきている点も、今後の市場規模の拡大を後押しする要因です。
これまでRPAにより何が実現できるのか不透明な部分がありましたが、RPAによるDX推進が進んだことで実績が多く積み上げられたため、業務へのRPA活用がしやすい環境が整備されつつあります。
RPAを活用することで、例えば以下のような業務効率化を実現できます。
- 営業数字をまとめるグラフ・図表の作成
- メールの一斉配信
- データのダウンロードやアップロード
- 社員の勤怠データの入力
- 一定ルールにもとづくデータのコピー&ペースト
RPAコンサルタントの業務内容
RPAコンサルタントは、クライアントの業務を最適化するためにヒアリングし課題を明確化、どの業務に対しRPAを導入するか策定し、提案、導入、運用、自走までの支援を行います。
RPAコンサルタントはSEとは異なり、構想策定の段階から顧客と併走します。
クライアントが自身の課題に気づいていない場合、まずは課題を定義し直します。その結果、ロードマップ策定段階にてRPA以外の技術を組み合わせた解決手段を提案する場合もあります。
そのためRPAコンサルタントは、RPAのみの知見があれば良いわけではなく、顧客の業務課題を特定し、適切な解決策を提案できるだけの幅広いシステム知見が求められるといえます。
例えば、昨今でよくある事例として、顧客の紙帳票をデータ化し基幹システムにデータを連携したいという課題があったとします。
この場合、紙帳票のデータ化をRPA単体で実施するのが難しいため、OCRツールにより対象帳票の電子化後、基幹システムへのデータの連携が必要です。
したがって、RPA以外の知見として、紙帳票を電子化するのに最適なOCRは何か、OCR製品別の強みは何かなどを押さえておく必要があります。
また、構想策定で描いた理想像を満たすシステムを作成後、顧客の業務がオンボードするように責任者の育成や講師派遣、研修パッケージの提案を担うこともある点が特徴的です。
他ITコンサルの場合、構想策定〜基本設計までをスコープにする場合もある中で、RPAコンサルは構想策定からオンボードまでと幅広くスコープに含める場合が多いです。
そのため、より顧客の目線にたった提案が求められるといえます。
RPAコンサルタントには未経験から挑戦できる
RPAは他のIT職種と違い、未経験からでも参入しやすいです。理由として以下が挙げられます。
- 免許が要らず、資格が必須ではない
- RPAは高度なプログラミングスキルは不要
以下にて、この2点の理由を詳しく解説します。
免許が要らず、資格が必須ではない
RPAコンサルタントになるために必須な資格はありません。そのため、未経験でもやる気さえあれば誰でも挑戦できる領域です。幸い市場は次のように追い風の状況といえます。
人材会社ビズリーチによるRPA人材の需要調査によると、「RPA」の単語を含む求人は2017年 10月から2018年の同月比で6.4倍となっており、「RPAエンジニア」は9.1倍、「RPAコンサル」は6.0倍の結果が出ています。
また、IT市場調査会社のアイ・ティ・アール(ITR)によると、2022年度には400億円市場となり、2017~2022年度の年平均成長率(CAGR)は62.8%を予測しています。
出典:ITR Market View:RPA/OCR/BPM市場2021 | ITR
したがって、RPA人材に高い需要があるものの、供給が間に合っていないことがわかります。
とくにRPA人材を提供する各ベンダーのアナリスト〜コンサルタント級の人材不足は深刻であるため、RPAが未経験であったとしても挑戦しやすい環境であるといえるでしょう。
RPAは高度なプログラミングスキルは不要
RPAは基本的にGUI操作で開発を進めるため、高いプログラミングスキルは必要ありません。
一部業務の中でSQL文などを書く場合がありますが、複雑なコーディングをするわけではないため、未経験からでも参入のしやすい業種です。
また、RPAベンダーの大手Uipathなどでは、セルフラーニング用の環境を提供しているため、独学である程度の技術レベルを習得できます。
つまり、ある程度のシステム知見があるのであれば、未経験からの状態でRPAのスキルを身に着け、RPAコンサルタントになることは十分可能です。
参考までに、UiPathが提供するセルフラーニング環境は以下のとおりです。
参考:UiPathアカデミー RPA無料学習サービス | UiPath
RPAコンサルタントに求められるスキル
RPAコンサルタントには、プロジェクトをデリバリーしていくだけのスキルが求められます。さまざまなスキルが求められますが、各種スキルの中でも比較的優先順位の高いスキルを紹介します。
- ソフトスキル:ロジカルシンキング
- ソフトスキル:顧客への理解力
- ハードスキル:RPA技術者試験
ソフトスキル:ロジカルシンキング
コンサルタントとしてプロジェクトデリバリーをしてく中で、資料作成や会議の進行、プロジェクトマネメントなどさまざまなスキルを要求されますが、根底となるスキルはロジカルシンキングです。
プロとしてロジカルシンキングを武器にしていくことを目指す方には、外資系コンサルタントからの評価が高いこちらの書籍がオススメです。
バーバラ・ミント著「考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則」
未経験からコンサルタントを目指す場合、こちらの書籍もオススメです。
大石哲之著「コンサル1年目が学ぶこと」
ソフトスキル:顧客への理解力
RPAコンサルタントには、顧客目線で課題を特定し、RPAで解決するシナリオ拘束力が求められます。
製品の操作がシンプルであるため、いかに顧客の課題を丁寧に整理できるかが、インパクトのあるシステムを作れるかの肝となります。
ハードスキル:RPA技術者試験
RPAコンサルタントになるための免許は必要ありませんが、RPAに対する確かな知識があることの証明として、RPA技術者試験の受講をおすすめします。
アソシエイト、エキスパート、プロフェッショナルと資格の段階がありますが、コンサルタントを名乗るのであればエキスパート以上の資格を有すると顧客の信頼を得やすくなるでしょう。
フリーランスや副業でのRPA関連の仕事内容・事例・必要なスキルなどは、以下の記事でも解説しています。
▼関連記事
RPAはフリーランスで稼げる?単価相場や案件の動向・必要なスキルや将来性を解説
RPAコンサルタントをするメリット
RPAコンサルタントに転身するとさまざまなメリットがあります。
- 成功体験の再現性が高い
- 開発完了までのスピードが早い
- 転職に有利
成功体験の再現性が高い
RPAコンサルタントは、あるプロジェクトで成功した事例を成功シナリオとして蓄積しやすいため、新たな案件にて成功体験の高再現が可能です。
RPAが業務効率化として対象とするのは、管理職における定型業務が一般的です。管理職における定型業務は各社で大きな違いがないため、成功シナリオを蓄積しやすい環境になっています。
開発完了までのスピードが早い
他ツールと比較して、RPA案件は開発スケジュールが短期間である特徴があります。したがって、短期間で多数のプロジェクトを経験することが可能です。
コンサルタントの市場価値の1つとして、構想策定〜要件定義フェーズの熟練度がありますが、このフェーズを短期間で繰り返すことができるため、市場価値が伸びやすい点が特徴的です。
転職に有利
大企業のDX推進部やRPAのパッケージベンダへの転職に有利に働く場合があります。なぜなら、導入したものの期待通りに活用できないことに課題を持っている企業が多いからです。
2021年の調査では、RPAを期待通りに活用できていないと考える利用者の割合は6割でした。
どのような業務に適用すればよいか悩まれ、結局使われなくなってしまうといった、導入時点の計画策定やRPA特性と業務特性を理解しているエンジニアの不在がその原因です。
出典:RPA導入企業の約60%が期待通りにRPAを活用できていないことが明らかに。100社の意識実態調査レポートをPeaceful Morningが発表
そのため、RPA導入の成功体験や組織にRPAを定着させるノウハウを持っているRPAコンサルへの期待は小さくありません。
RPA関連職種の単価相場
RPAに関連する職種の単価相場を紹介します。RPAコンサルタントの方が、業務の難易度が高いため他職種よりも単価が高い傾向にあります。
RPAエンジニアの単価相場
職種別に見ると、RPAエンジニアが月額約30~60万円です。
出典:RPAフリーランス案件の求人動向や単価相場を徹底解説! | テクフリ (techcareer.jp)
RPAエンジニアは要件定義、開発以降を担当します。要件定義で定められた要件を漏らさず的確にシステムで満たすことで評価される職種です。
RPAコンサルタントの単価相場
RPAに関連するフリーランス案件の単価相場は、月額約40~60万円と言われています。
出典:RPAフリーランス案件の求人動向や単価相場を徹底解説! | テクフリ (techcareer.jp)
RPAコンサルタントは構想策定および要件定義を中心に担当し、そもそも顧客の課題は何なのか言語化、期限内に課題を解決するソリューションを顧客に提供することで評価されます。
フリーランスであれば月収はさらに高まります。フリーランスコンサルタントの収入事情については以下で解説しています。
▼関連記事
フリーコンサル案件の単価相場はどのくらい?レベル別・職域別の想定年収を徹底解説!
まとめ
RPAの国内市場の堅調な成長に伴い、RPA人材の募集も多数あります。
RPAコンサルタントに転身した場合、他職種より副業で稼ぎやすい、上流工程での経験が積みやすく市場価値を上げやすいなどのメリットがありますので、RPAコンサルタントへの転身をおすすめします。
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