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2021.10.13

RPA副業は稼げる?副業で稼ぐ方法と単価相場を紹介

コンサル募集

RPA領域で副業をお考えの方は「RPAの副業に需要はある?」「案件獲得にはマッチングサイトとマッチングエージェントのどちらを利用すべき?」など、疑問に感じているでしょう。

RPA市場の規模拡大を背景にRPAを活用した副業人材への需要は年々増加しています。

RPAはツールの特性上、テンプレートを一度作成してしまえば副業での再現性が高く、かつ、短期間で開発を完了できる点などにメリットがあります。したがって、副業を検討するのであればRPAは適したツールであると言えます。

当記事ではRPAを活用した副業のメリット、デメリットや副業案件の単価相場、案件事例、おすすめの案件獲得方法まで網羅的にご紹介します。

副業前に確認すべきRPAの国内市場規模


RPAの国内市場規模は年々増加しており、副業人材への需要も増加すると見込まれます。副業を開始する前にRPAの国内市場規模、RPAの今後の市場予測を確認しておきましょう。

RPAの国内市場規模

株式会社矢野経済研究所が発表した「RPA市場に関する調査を実施(2020年)」によれば、2020年度の国内市場規模は前年度比37.7%増の729億円でした。RPA関連の書籍が盛んに出版され、RPAの存在が認知され始めた2016年比で756%増であり、堅調に市場が成長していることがわかります。

2019年度のRPA市場は事業者の売上高ベースで529億7,000万円(2018年比56.7%増)でした。内訳は以下の通りです。

  • RPAツール製品(299億円 2018年度比33.5%増)
  • RPA関連サービス(430億円 2018年度比40.7%増)

とりわけ、RPA関連のサービスが堅調であり、RPAを使用した業務改善コンサルティングが市場で高い需要があると言えます。
出典:RPA市場に関する調査を実施(2020年)

RPAの今後の市場予測

テレワークへの対応や業績悪化、労働人口不足を背景とした業務効率化需要のため、RPA市場は堅調に伸びていくことが予想されています。

RPA市場の成長性は大きいと予想されますが、多くの企業がRPAを活用できておらず、導入効果を実感できていない点に課題があります。

企業がRPAを導入後、オンボーディングを円滑に実施していく段階にあるため、コンサルタントによる業務フローの改善を含むカスタマーサクセス支援に需要があるでしょう。

したがって、RPAの知見を備えたコンサルタントへの需要がますます伸びると考えられます。一方で、カスタマーサクセス支援をしていく中で、専門ファームからRPAの専門コンサルタントを採用したり、正社員として専門コンサルタントを雇用するのはコストがかかりすぎてしまいます。

そのため、企業のカスタマーサクセス支援は足踏みしてしまいがちです。この点、副業人材であればスポットで採用可能であり、かつ高スキル人材によるコンサルテーションを受けられるため、RPA副業人材への需要が高まっていくと考えられます。

RPA副業をするメリット


RPAを活用して副業するメリットをご紹介します。

他業界の知見獲得とスキルアップが可能

SEやSler、ITコンサルティングファームなどに正社員として従事する立場では、アサイン先の業界、業種、タスクの内容を選択することは難しいです。

一方で、RPAを活用した副業であれば自身がアサインされるタスクを選択できるため、自身のキャリアプランに適した能力を伸ばす、経験を積むといった活用ができます。

例えば、事業会社の場合、RPAのシナリオ作成は本業を助けるための手段のひとつであり、成功するシナリオを作成した後は定常業務を繰り返すことになります。したがって、自身のキャリアを広げるようなスキルアップが難しいです。

しかし、RPA副業の場合、いつでも新たな課題に取り組むことができるため、その過程でRPAのスキルアップが期待できます。したがって、RPA副業をすることで自身のキャリアプランに適した能力を伸ばしていくことが可能でしょう。

また、自身のキャリアプランに合った実績やスキルの獲得、人脈を築くこと、会社員として働いているだけでは難しかった独立がしやすくなる点なども大きなメリットです。

成功シナリオをテンプレート化することで効率よく稼げる

RPAは定型業務に強いため、成功の再現性が高いことも特徴のひとつです。ある案件で成功したソリューションをテンプレート化すれば、横展開することで顧客が同じ課題をもつ場合に転用ができます。

また、これまでの実績をテンプレート化しやすい分、過去の実績をアピールしやすい点もRPAを武器にするメリットのひとつです。RPAの案件を多くこなすほど、自身の業務の効率化および市場価値の向上につながるでしょう。

RPAでテンプレート化しやすい業務として、たとえば以下のような業務が挙げられます。

  • Uipathを使用してOCRで取得した帳票データを基幹システムに連携
  • BizRoboを活用した請求書処理業務の自動業務化
  • BizRoboを活用したデータ入力作業の自動化対応 など

短時間で高収入を得やすい環境

会社員として勤務している以上、所属するランク以上の給与をもらうことは難しいです。この点、RPA副業であれば、スキルや実績に応じた報酬を顧客から直接獲得できます。会社を通さず報酬をもらえるため、高収入を得やすい環境である点がメリットでしょう。

顧客からの評価次第では、契約時の報酬より高額の報酬を得ることも可能であり、顧客への貢献度が直接報酬に反映される点も魅力的です。

また、正社員として給与収入のみで稼ぐよりも、本業と副業を同時に実施し給与収入と事業収入を合わせて得た方が効率的に稼げる点もメリットでしょう。

副業では収入が事業収入となるため、青色申告を実施する場合であれば65万円の青色申告特別控除や経費控除を受けられます。

したがって、控除が受けられる分節税ができるため、同額を年収として稼ぐのであれば、給与収入のみだけでなく、事業収入をあわせて稼ぐ方が効率的と言えます。

好きな時間に稼働できる

雇用先の労働条件にもよりますが、自由な時間に稼働できます。土日のみの稼働や平日の夜1~2時間のみの稼働も求人としてありますので、ご自身の生活に合わせた案件を選択できる点がメリットです。

日中は子育てがあるので夕方に2時間だけ稼働する、週末の空き時間のみを利用して稼働するなど、ライフスタイルに合わせた稼働実績があります。この他にも、以下のような働き方の実践例があります。

  • 1日2時間のスポット稼働
  • フルリモート稼働
  • 週1日稼働
  • フルコミットのコンサルティング稼働 など

開発までのスピードが早い

他ツールを使用した案件と比較して、RPA案件は開発スケジュールが短い点に特徴があります。

他ツールの案件(たとえばVBA)であると、コーディングに要する時間がどうしても工数を取りますし、ある程度コーディングを終えてからでないとシステムの動きを顧客とすり合わせられないため、手戻りリスクが高い点に課題があります。

この点、RPAはGUI上の操作のみで設定できることもあり、素早く開発し顧客と都度認識を合わせられます。したがって、RPAであれば大きな手戻り工数が発生しにくい点にメリットがあるでしょう。

また、プロジェクトの調整が効きやすい点もメリットです。長期プロジェクトの場合、プロジェクト期間中は1週間程度のまとまった休みを取りづらい点に課題があります。

一方でRPAを活用した副業であれば短期間で開発プロジェクトが完了するため、プロジェクト参画スケジュールの調整が効きやすく、ライフスタイルに合わせた働き方ができる点も大きなメリットです。

RPA副業をするデメリット

RPAを活用して副業するデメリットをご紹介します。

確定申告の手間が発生

副業として稼働すると給与とは別に事業所得が発生するため、確定申告や事務処理手続きの手間が発生する点がデメリットとなります。

しかし、先述の通り個人事業主として開業届を提出し青色申告を提出した場合、税制の側面でメリットがあります。

SEを例に挙げると、賃料の3分の1程度が経費として認められる場合がある、65万円の青色申告特別控除があるなど、給与所得のみと比較して控除の側面でのメリットが大きいです。

また、最近では確定申告を電子上で申請可能な上、クラウドサービスを利用した経費管理システムが拡充してきていることもあり、これらを利用すれば想像するほど煩雑な手間にはなりません。

したがって、確定申告の手間が増えるものの、給与の側面ではメリットが大きいでしょう。

在籍企業が副業禁止の場合がある

本業で所属する企業によっては、就業規則上副業禁止の場合がある点がデメリットです。

就業規則上、副業を禁止する旨が記載されている場合、副業を実施したことが明るみにでると、企業内でのポジションが危うくなる場合があります。

とくにコンサルタントファームでは、クライアントファーストの方針や利益相反の観点から副業を禁止している場合が多いです。

IT企業の場合は副業を促進する流れがありますが、許可制だったり、条件があったりと企業によって方針が決められています。そのため、副業を始める前には、就業規則上の副業の扱いを確認する必要がある点に留意してください。

RPA副業の単価相場

RPAを活用した場合の単価相場を職種別にご紹介します。

RPAエンジニア

週1で稼働した場合、月間で30〜60万円程度が単価相場です。以下スキルが求められます。
参照:​​フリーランスで参画いただけるRPA求人一覧(2019年8月3日更新)

  • 要件定義~開発~保守運用経験
  • 特定のRPAツールの知見
  • RPAと外部システムを連携させるだけのプログラミングスキル(SQLなど)

基本的に要件定義以降のフェーズを担当するため、RPAへの理解があれば副業案件の受注が可能です。より高額の案件を受注したい場合は、構想策定のフェーズから関与するRPAコンサルタント向けの案件に応募しましょう。

RPAコンサルタント

週5で稼働した場合、月間で100〜120万円程度が単価相場です。
参照:​​フリーランスで参画いただけるRPA求人一覧(2019年8月3日更新)

以下スキルが求められます。

  • 構想策定~要件定義経験
  • 顧客の課題を構造的に整理し、課題にいくつかの評価軸から優先順位を付け施策を検討する力
  • 特定のRPAツールの知見
  • RPAと外部システムを連携させるだけのプログラミングスキル(SQLなど)

基本的に構想策定の段階から関与します。RPAエンジニア向けの案件に比べて、ロジカルシンキングや顧客との折衝能力が求められますので、純粋な開発のみをしたい場合はRPAエンジニア向けの案件に応募しましょう。

RPAコンサルタントとしてキャリアアップを目指す場合は、現状RPAエンジニアとしてのタスクを実施したことがなくても応募は可能です。そのため、積極的な応募をおすすめします。

【WP入稿後「RPAフリーランス」の内部リンクを設置】

RPA副業の具体的な案件事例

RPAを活用した副業での案件例をご紹介します。

事例①:AIOCR×RPAを活用した事例

AI OCRエンジン tegaki とRPAツール BizRobo! を掛け合わせた事例を紹介します。

不動産業界の某社では以下の理由で、在籍社員の繁忙期と閑散期の変動が激しく、人員の確保が課題となっていました。

  • 各種の事務処理手続きの管理量が膨大
  • 事務処理手続き内容も業務により多岐にわたっていた

また、同時に手作業によるオペレーションを実施していたため、ミスが多かった点も課題でした。

そこで、AIOCRとRPAを活用した「BizRobo!×Tegaki」により、紙処理業務の効率化を目指しました。

多岐にわたる業務の中から最も業務量が多く、RPAソリューションの効果が見込まれる申込書類、受注情報の突合処理業務、顧客情報管理業務を対象に、AIOCRを搭載したRPAロボットを137台開発しました。結果、月間で業務効率化効果として400時間の削減効果を実現しています。

以上の事例のように、業務全体の最適化、コスト削減を目的として、RPAと他ソリューションを組み合わせた副業事例が非常に多い点がRPA案件の特徴です。

バックオフィスの業務効率化の観点で言えば、2023年10月より開始されるインボイス制度に伴う適格請求書発行事業者番号と国税庁のデータベースの突合等の要件が増えることが予想されますので、事前に実績をテンプレート化するとよいでしょう。

参照:【2021年版】BizRobo! RPA導入事例と効果・効能

事例②:提案段階から参画し経営層と共に構想策定を実施した事例

経営目線での広義の業務改革・組織再編・事業計画策定フェーズを実施した例を紹介します。

生命保険業界の某社では、突発的な業務の増加に伴う残業の増加や四半期決算期前などの特定時期での業務増加に対して課題がありました。

RPAの導入前は突発的な業務の増加に対して、臨時スタッフの採用で対応していましたが、未経験のスタッフへの教育コストが高かったため、RPAによる自動化を検討し始めた経緯があります。

この課題に対して、窓口販売、企業保険など49業務に対してRPAを導入し自動化を図ったことで1年あたり5万時間の業務効率化を実現しています。具体的には、保険の申し込み情報が記載されたファイルから基幹システムにデータを転記する作業などを自動化することで業務効率化を実現しました。

以上のように、コンサルティング案件であれば全社を俯瞰した業務改革が可能である点がRPA業務の特徴です。コンサルティング案件では、課題の特定のために課題の構造化および分析、施策の立案といった経験ができますので、キャリア上メリットが大きいでしょう。

参照:【2021年版】BizRobo! RPA導入事例と効果・効能

事例③:地方都市で採用された事例

長野県長野市の経営コンサルティング会社でのRPA副業人材の採用事例を紹介します。

この会社では、東京在住の30代SEの方と副業契約をしてから3か月間で手作業にて行っていた「印刷業務」「給与計算業務」「税務申告業務」に課題がありました。

一方で、顧客企業は地方の中小企業であることから、在住のIT人材が少ないため正社員の採用がむずかしく、かつ、専門のシステム会社に依頼するほどのコストも支払う余裕がない背景があり、八方ふさがりの状況に陥っていました。

その中で、副業人材であれば安価にスポットで採用できるため、RPAを活用可能な人材採用を実施しました。結果、課題に対するRPAの開発に成功し、長年の課題を解消できています。

以上のようにRPAを活用した副業は首都圏だけではなく、地方にも需要があるため、全国幅広く対応できる点がRPAを活用した副業の特徴です。

参照:【事例】RPAは必要ない?たった3カ月で実行できた「業務自動化」の秘訣

RPA副業の案件単価をあげる方法


副業でRPA案件の単価を上げる方法を記載します。

コンサルティングサービスを提供できるようにする

RPAコンサルタントとして採用されると単価相場が上がるため、案件単価を上げたい場合はコンサルティングスキルを取得する必要があります。

RPAコンサルタントには、構想策定の段階からプロジェクトに関与し、ヒアリングやディスカッションを通じて顧客の理想とする理想像を描く能力が求められています。

また、理想像に対して実現するためには具体的にどのようなシステム要件が必要か、事象を構造化して整理していく力が求められるでしょう。

コンサルティングスキルのベースにはピラミッドストラクチャーの考え方があります。バーバラミント著「考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則」を通じて基礎を学べますので、一読をおすすめします。

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ピラミッドストラクチャーの考え方が理解できた後には、実際に業務での活用方法を学ぶ必要があります。

東大ケーススタディ研究会著「東大生が書いた問題を解く力を鍛えるケース問題ノート―50の厳選フレームワークでどんな難問もスッキリ「地図化」!」を通じての学習が可能です。

実務上で必要な目的から課題を洗い出し、施策を検討する一連のプレセスを机上で経験できるため、ぜひご参照ください。

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他自動化ツールの活用事例を知り提案の幅を広げる

RPAと他ツールを組み合わせられると案件単価が上がる傾向にありますので、他自動化ツールとの連携事例をキャッチアップする必要があります。

昨今の例で言えば、リモートワークを背景としたペーパレス化に需要があるため、AI OCRを活用した紙文書のデータ化×基幹システムのデータ連携などに実績があれば、案件単価が上がるでしょう。

また、他自動化ツールを扱える証左としてプロジェクトに関連する資格を取得すると、単価の向上につながる場合があります。たとえば、取得したベンダー資格の知識を活用、RPAと他自動化ツールを連携し業務効率化を実現させたなどのエピソードトークを実施できれば効果的でしょう。

RPA領域での副業をするならマッチングエージェントの利用が効率的

副業でRPA案件を探す場合、早期に割のよい案件を見つけるのであれば、マッチングエージェントの活用がおすすめです。

理由①:競争倍率が低い

マッチングサイトを利用して副業を探す場合、お手軽に副業を始められる半面、登録ユーザーが多く早期に副業が決まらないことがあります。

この点、マッチングエージェントであれば応募者の適正にあわせて副業を紹介しますので早期に副業先を見つけられる点がメリットです。

また、マッチングエージェントであれば副業希望者のスキルや意向をくみ取って案件を探しますので、案件とのミスマッチが少ない点もメリットでしょう。

理由②:手数料がかからない

マッチングサイトを利用して副業を探す場合、仲介手数料として15%~25%程度をシステム利用料の名目で給与から差し引かれることが多い点に注意が必要です。

マッチングエージェントであれば、直接クライアントとやり取りをする分、仲介手数料を節約できる点がメリットでしょう。また、顧客の期待値を十分に満たすことができれば、直接クライアントへ給与交渉が可能な点も魅力的です。

まとめ

RPAの国内市場の堅調な成長に伴い、RPAの副業人材の募集も多数あります。副業をした場合、知見が広がる、本業と合わせて働くことで効率よく稼げるなどのメリットがありますのでRPAでの副業をおすすめします。

副業をする場合はマッチングサイトよりもマッチングエージェントがおすすめです。Liberty Nation(リバティネイション)も同じく、RPA案件で副業ができる人材を募集しています。ぜひ以下フォームより登録してください。

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