RPAはフリーランスで稼げる？単価相場や案件の動向・必要なスキルや将来性を解説

フリーランスのRPAエンジニアまたはコンサルタントとして、安定した収益を得られるのか気になっていませんか。

労働力不足への対策やコスト削減を目的にRPAを導入する企業は年々増加しており、RPA市場も非常に活況です。そのような業界動向を現場で感じているRPA関連業務の従事者であれば、独立を検討し始めてもおかしくないでしょう。

そこで本稿では、RPAエンジニアやコンサルタントがフリーランスになって生計を立てられるほど稼げるのか、案件や市場動向およびRPA案件で求められる必要なスキルなどを解説します。

RPAフリーランスに挑戦する前に知っておきたい市場動向

まずは、RPA領域の市場動向について確認していきます。

RPAの国内市場

矢野経済研究所の調べによると、RPAの市場規模は年々増加傾向にあります。

2019年度のRPA市場は事業者の売上高ベースで529億7,000万円、2018年と比べると56.7％増となっています。

項目	2019年度 市場規模（億円）	2018年度比
RPAツール製品	224.0	+33.5%
RPA関連サービス	305.7	+40.7%

出典：RPA市場に関する調査を実施（2020年） | ニュース・トピックス | 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所 (yano.co.jp)

一年間で56.7%増というと一時的な急成長が起きたように感じるほど大きな数字に見えますが、RPA市場は2016年度から継続的に爆発的な成長を遂げています。

矢野経済研究所の同調査によると2016年度の市場規模は85.2億円とあるため、たったの3年間で市場規模は3倍に膨れ上がりました。

この数年間でRPA導入が急速に進んだ背景には、大手企業の間でRPAが一時的にブームになったことが挙げられます。

RPAの市場動向予測

2021年度以降もRPA市場は成長が継続すると見込まれており、2023年度のRPA市場規模は事業者売上高ベースで1,520億円の拡大が予想されています。

項目	2021年度	2022年度	2023年度
RPAツール製品	380	455	520
RPA関連サービス	640	830	1,000
合計	1,020	1,285	1,520

※単位：億円
出典：RPA市場に関する調査を実施（2020年） | ニュース・トピックス | 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所 (yano.co.jp)

RPA領域の将来展望

新型コロナウイルスの影響を含めたさまざまな要因で、人員削減やコスト削減が余儀なくされている企業の中には、RPAによる業務の自動化を検討しているところが多いです。また、同様の理由で国や地方自治体もRPA導入を進めていくと予想されています。

以下は国や地方自治体のRPA導入・活用促進例です。

• 内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室と米UiPath（ユーアイパス）社の日本法人であるUiPath株式会社が「新型コロナウイルス感染症関連対策に関するRPA及びAI等の活用のための共同取組に関する協定」を締結
  参照：UiPath社が内閣官房と新型コロナウイルス感染症関連対策に関する ロボティック・プロセス・オートメーション（RPA）及びAI等の 活用のための共同取組に関する協定を締結
• 2022年度末までに500の地方公共団体におけるAI・RPAの導入・活用促進を働きかけている（1,788団体の内、AI・RPA導入済みは535団体​。内訳はAIのみが152団体、RPAのみが118団体、いずれも導入は265団体。※2021年6月時点）
  出典：自治体におけるAI・RPA活用促進

また、既に導入済みの企業ではツール使用を円滑にしていくために、RPA人材の育成に力を入れている段階にあります。

先述の通り多くの大手企業ではRPAの導入フェーズが終わっているため、2021年以降のRPA案件は以下のような業務が主流になると思われます。

• RPAを活用した業務プロセス全体の最適化
• 自動化のアドバイス
• RPAツールを使いこなせる人材の教育・育成

RPA領域は幻滅期に突入したという声も

RPA領域はすでに幻滅期に入ったと主張する調査結果もあります。

リサーチ＆アドバイザリ企業であるガートナーによるプレスリリース「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル：2019年」によると、RPAは2019年を境に幻滅期に突入したと分析・発表しています。
出典：ガートナー、「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル：2019年」を発表

RPAによって自動化したもののプログラムのメンテナンスや業務の監視などで、想定以上にリソースが必要になっていることが原因として挙げられます。

幻滅期の突入によって、RPAの本格導入が遅延または見送りになる可能性があるため、RPAエンジニアやRPAコンサルタントの需要は2021年時点で「安定している」とは言い難い状態です。

ただし、同調査は2019年時点に発表されたものであり、新型コロナウイルスが流行する前のものです。

「新しい生活様式」が浸透し、国や地方自治体もRPA導入に拍車をかけています。大きな打撃を受けた影響でコスト削減が急務になっている企業も多いため、RPAの需要は今後更なる変化を迎え、導入済みのRPAの投資対効果を高めるためのRPAコンサルタントへの期待が高まることも考えられます。

RPA案件をフリーランスで探す場合の仕事の種類

RPAの案件をフリーランスで受注するためには、仕事の種類を知っておきましょう。

RPAエンジニア

RPAエンジニアは、RPAツールと他のシステムやツールを用いて設計・開発・テスト・保守を行うエンジニアです。

主な必要スキルは以下が挙げられます。

• VBAやJavaScriptなどのプログラミング言語での開発経験
• システムエンジニア経験
• RPAソフトウェアのスキル（WinActor、UiPathなど）
• RPA周辺知識
• 顧客の業務フローを理解する能力
• Excelマクロ、Excel VBAのスキル

RPAコンサルタント

RPAコンサルタントは、クライアントの課題と導入目的に合わせたRPAの提案・導入のサポートを行います。中にはプロジェクト管理やRPA運用改善などの業務を担うケースもあります。

主な必要スキルは以下の通りです。

• RPAツールの使用経験
• システム開発全般の知識
• コンサルティング経験
• システム導入におけるプロジェクトマネジメント経験

なお、RPAの知識よりもコンサルティング経験が重視されやすい傾向にあります。なぜなら、RPA単体であれば学習コストが比較的少なく、RPAと他システムの連携時に必要となるシステム開発や導入ノウハウの方が重要だからです。

RPAプリセールスエンジニア

RPAプリセールスエンジニアは、RPAツールの提案や販売を行う営業色の強い職業です。

主な必要スキルは以下が挙げられます。

• コミュニケーション能力
• 提案力
• RPAソフトウェアのスキル（WinActor、UiPathなど）

時にはツールのデモンストレーションも行うため、技術者としての知識も必要です。

RPAの魅力はスピーディーに開発できるところ

一般的に大規模な業務システムは、規模が大きくなればなるほど改修規模に対するコストが増加する傾向にあります。

なぜなら、デグレードを防ぐための試験工数が増えること、関連する他システム・他部門業務との調整コストが増えるからです。

RPAはこの課題に対する解決策の一つとしても期待されています。デグレードを防ぐための試験をRPAで自動化したり、システム改修に伴う業務オペレーションの変更部分をRPAで補ったり、既存システムには手を加えずにRPAシナリオ作成で業務フローを変更したりできるからです。

その他にも、最終的な成果物イメージの擦り合わせに要する時間を圧倒的に短くできます。

一般的なプログラミング言語で開発する場合は、1週間〜1ヶ月ほど管理システムを作成したのちクライアントからフィードバックをもらう流れになりますが、RPAエンジニアリングであれば叩きとなるプログラムを2時間〜数日で作成できます。

フリーランスでRPA案件を受注した場合の単価相場

フリーランスでRPA案件を受注する場合の単価相場は以下の通りです。

種別	単価相場（月額）
RPAエンジニア	30～60万円
RPAコンサルタント	80～120万円
RPAプリセールスエンジニア	70～100万円

参照：RPA案件の単価は？フリーランスの求人動向、必要スキル、将来性 | AIdrops
RPAフリーランスを目指すなら知っておきたい4つのこと～業界動向・必要スキル・単価・仕事の探し方～

単価相場は職種や勤務地などによって大きく差があります。

また、RPAエンジニアよりプロジェクトマネジメント経験のある人が重宝される傾向にあるため、RPAコンサルタントの単価が比較的高い傾向にあります。

フリーランスでRPA案件を探す方法

RPA案件を受注する方法を紹介します。

マッチングサービス・エージェントへの登録

フリーランス専用のマッチングサービスまたはマッチングエージェントに登録して、案件を紹介してもらいましょう。

弊社Liberty Nation（リバティネイション）もコンサルタントとコンサルティング案件のご紹介を行っています。中にはRPAに関連する案件もあるため、案件をお探しの方はぜひ一度ご登録ください。

▶️Liberty Nationでコンサルティング案件の紹介を受ける

クラウドソーシングの利用

クラウドソーシングサービスに登録して案件を獲得できます。

クラウドソーシングサービスの代表格としては「CrowdWorks（クラウドワークス）」と「Lancers（ランサーズ）」が挙げられます。

コンサルティング案件に特化した媒体ではないため、条件面は不遇の案件が多い傾向にありますが募集中の案件数は少なくないため、とにかく急ぎで案件を確保したい人にはおすすめです。

知人からの紹介

所属していた企業の同僚・上司、知人の紹介で案件を受注することもできます。いつでも気軽に紹介の催促ができるように、定期的に挨拶や情報交換の連絡を取っておくことをおすすめします。

ただし、この方法で案件を獲得する場合、参画後にクライアントに迷惑をかけると紹介者の顔に泥を塗ることになるため、期待値コントロール不足や納期遅延などには十分に注意しましょう。

SNSやブログの活用

SNSやブログで自分をブランディングして案件を獲得しましょう。企業やコンサルタントをフォローし、人脈を広げたり情報収集したり別用途での活用も可能です。

フリーランスでRPA案件を受注すると単価が低い可能性がある

RPAツールであるWinActorやUiPathは、プログラミングなしでRPAの実装（業務自動化）が可能なため、「ノーコード（プログラミングの実装不要）」という認識が一般的になりつつあります。

「ノーコード」で実装できるということは、RPAの学習コストはプログラミング言語の習得と比較すると非常に低いということです。そのため、RPAエンジニアはその専門性や希少性が低いと判断されやすい傾向にあります。

事実、RPAの知識が無いクライアントの場合、プログラミングが必要ないことを理由にRPAエンジニアへの報酬単価を低く設定していることがあります。

しかし、実際はプログラミングが必要な外部システムと連携して使用しないとシステムが想定通りに稼働しないケースも多いです。

そのため、RPAエンジニアやRPAコンサルタントとして案件獲得を目指すのであれば、一般的なプログラミング言語も習得しておくとアサインされやすくなるでしょう。

なお、単価を上げるために、RPAエンジニアではなくRPAコンサルタントとして採用されるという手もあります。RPAコンサルタントには、プロジェクトマネジメント力や論理的思考力など幅広い能力が要求されますが、その分だけ高い単価が期待できるからです。

まとめ

RPAは長期的には飽和状態になり需要が低下していくと見られていますが、中期的にはこれからも需要のある仕事です。

しかし、2021年現在ではRPA案件の募集数は比較的少ないため、知人からの紹介やクラウドソーシング・SNSでは案件に出会えない可能性が高いです。

したがって、もしRPA案件に参画したいのであれば、コンサルティング案件のマッチングサービスやマッチングエージェントに登録することをおすすめします。

なお弊社Liberty Nation（リバティネイション）でも、RPAの案件を取り扱っています。こちらのフォームから職務経歴書をご送付いただければ、後日ご登録いただいたメールアドレスにご連絡を差し上げます。

ぜひお気軽にご登録ください。ご応募お待ちしております。