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2021.10.13

データ分析の領域でフリーランスになるには?求められるスキルと案件事例を解説

コンサル募集

「データ分析の領域のフリーランスで活躍することは可能?」「データ分析の領域のフリーランスをするメリットは何?」と疑問に感じていませんか。

データ分析の領域でフリーランスとして独立することは可能です。データ分析の領域、とりわけデータサイエンティストであれば市場からの需要が非常に高く、短期間で高収入を獲得できるでしょう。

当記事では、データ分析の領域でフリーランスをするメリット、デメリット、データ分析人材が求められている背景、案件獲得の方法まで網羅的にご紹介します。

データ分析領域でフリーランスになれる?


データ分析のスキルがあればフリーランスとして独立可能です。以下、データ分析の領域でフリーランスとして独立できる理由をご紹介します。

データ分析を活用できる職種は大きく2つある

データ分析を活用する職種は、職務領域と必要とするスキルから大枠2つに分けられます。

データアナリスト

データアナリストは、基本的な統計学に基づいたデータの分析やBIツールを使用した可視化を業務領域とします。データアナリストに求められるスキル例は以下の通りです。

  • 基本的な統計学の知識
  • 大学教養レベルの数学の知識
  • PythonやR、SQLなどのプログラミングスキル
  • HadoopやSparkなどのデータ分析構築スキル
  • マーケティング
  • 確率論の知識
  • 自然言語処理
  • 人工知能

データアナリストは規則性のないデータをクレンジングして、分析可能な状態にする段階から関与することが一般的です。

扱うデータはリレーショナルデータベースに保存できるような、構造化されたデータを扱う場合が多いでしょう。すでに構造化されたデータを分析し、統計学の専門家でなくても理解・意思決定できる状態にすることがミッションとして求められています。

また、データアナリストは分析の目的によりエンジニア型とコンサル型に狭義でわかれます。

エンジニア型は自社にインプットされたユーザーの行動データなどをクレンジングおよび分析し、自社サービスの改善が活動の目的です。自社のデータウェアハウス上に、分析に必要なデータマートの作成スキルなどが求められるため、コンサル型と比較してITスキルが求められる点に特徴があるでしょう。

一方で、コンサル型は顧客が保持しているデータを対象に課題の洗い出しや仮説検証時にデータを分析、最適な施策提案をすることを目的としています。エンジニア型と比べて、データの意味合いを検証する力が強く求められる点が特徴です。

データサイエンティスト

データサイエンティストは、機械学習の知見に基づいたデータのクレンジングや機械学習のアルゴリズムの選別、パラメータのチューニング、分析結果の意味合いの検討を実施します。データサイエンティストに求められるスキル例は以下の通りです。

  • データアナリストに求められるスキル全般
  • 機械学習の知識
  • 機械学習を用いるためのソフトウェアの知識(TensorFlowやKeras、Chainerなど)

データサイエンティストはデータアナリストよりも高度な分析を担当します。データアナリストが基本統計を使用して分析を実施するのに対して、機械学習を用いた分析をするのがデータサイエンティストの職務領域です。

構造化されたデータだけではなく、音声や画像などの非構造データも対象に分析を実施する点に特徴があるでしょう。

国内のデータ分析市場での需要状況

一般社団法人データサイエンティスト協会が2019年11月に発表した「データサイエンティストの採用に関するアンケート調査結果」によると、データサイエンティストを自社内に1人以上雇用している企業は全体の29%であり、このうち今後3年間でデータサイエンティストを1〜2人以上増やしたいと回答した企業が77%でした。

出典:データサイエンティストの採用に関するアンケート調査結果

また、データサイエンティストを採用したいと意向を示していた企業の内、37%は1年間で「確保できなかった」と回答していることから、データサイエンティストを正社員として採用したいものの、採用が難航している状況がわかります。

したがって、データサイエンティスト(データ分析が可能な人材)へのフリーランス需要は高いと考えられます。なぜなら、フリーランス人材であれば企業からするとスポットでの採用が可能、かつ、直契約が可能で低単価で済む傾向があるからです。

データ分析人材の需要が高まっている業界

一般社団法人データサイエンティスト協会が2019年11月に発表した「企業が求めるデータサイエンティスト人材像-データサイエンティスト 国内企業動向調査(2019)」によると、データサイエンティストはさまざまな業種に在籍しており、とりわけ情報通信業での需要が高いことがわかります。

業種名 データサイエンティストが1人以上在籍する企業(%)
全業種系(n=283) 29
建設業(n=18) 11
運輸・郵便業(n=29) 14
製造業(n=70) 23
卸売・小売業(n=42) 29
卸売・小売業(n=42) 59
上記以外の産業(84) 29

出典:企業が求めるデータサイエンティスト人材像-データサイエンティスト 国内企業動向調査(2019)

情報通信業では、アプリケーションやインターネット上から顧客の情報を取得しやすく、かつ、取得データから顧客の趣味趣向を仮説建てた上で製品を提案する力が競合優位性につながります。

また情報通信業の企業では、データサイエンス分野の教育制度やメンター制度が他業種と比べ充実しているため、この領域のプロを志す人材が集まりやすいです。

一方で、事業会社はDXや新規事業創出の軸としてデータ活用を掲げており、情報通信業の企業に務めるデータサイエンティストをSES契約で獲得し、プロジェクトチームを立ち上げるケースが近年増加傾向にあります。

このように、データ分析の要となるデータサイエンティストの人材需要が高まっていると考えられるでしょう。

データ分析人材の需要が高まっている背景

データ分析人材への需要が高まっている理由を紹介します。

ビックデータ解析が企業から求められている

総務省「ビッグデータ利活用元年の到来」によれば、ビックデータの活用が各業界で進むと予測されます。
参照:情報通信白書|ビッグデータ利活用元年の到来

カスタマーサクセスを重視する風潮の中で、マスマーケティングから顧客一人ひとりに合わせたone to oneマーケティングへの転換が必要です。したがって、顧客の属性データだけではなく行動データの分析が必要になっており、ビックデータの解析が求められています。

ビックデータを活用できれば、顧客の成功につながる新たなビジネスやサービスへの付加価値を見いだせる可能性があるため、ビックデータを解析できる人材が重用されていくでしょう。ビックデータの活用事例は以下の通りです。

自動車の走行情報を利用したテレマティクス保険
テレマティクスとは、自動車(移動体)と通信システムを組み合わせて、リアルタイムに情報をサービス提供することを指します。これを自動車保険に活用し、運転情報を元に安全運転ができているかを分析、安全運転と判断された場合は保険料をキャッシュバックする仕組みです。

参照:テレマティクス等を活用した安全運転促進保険等 による道路交通の安全 国土交通省自動車局安

データ分析人材が市場に足りていない

ビックデータの解析が求められているものの、解析ができる人材が市場に少ないためデータ分析人材の需要が高まっています。

IPAが発表した「IT人材白書2020」によれば、IT企業でDXに対応する人材の重要度の認識調査アンケートの中で、データサイエンティストが自社にはいないが非常に重要であると回答した企業が37.8%いました。
出典:IT人材白書2020

一方で、doda社が提供する「2021年3月発行職種別マーケットレポートITエンジニア」によれば、データサイエンティストの2020年12月~2021年2月の登録者数は2020年9~11月対比97%と減少しています。一方で、2020年12月~2021年2月の求人数は2020年9~11月対比112%と増加していることがわかります。
出典:ITエンジニア中途採用マーケットレポート(2021年3月発行)|doda中途採用をお考えの法人様へ

したがって、企業のデータサイエンティストへの需要が非常に高いが、市場にデータサイエンティストが枯渇している状況であると言えるでしょう。

フリーランスでデータ分析案件の単価相場


データ分析の領域のフリーランスで働く場合の単価相場を紹介します。

開発言語別公開案件数

あるエージェント企業の開発言語別の公開案件数を紹介します。

開発言語 案件数(件)
Python 254
SQL 182
Scala 81
Tableu 31
java 25
Excel 17
GCP 10

出典:データサイエンティストのフリーランス求人・案件一覧

上記表からわかる通り、開発言語別に公開案件数が顕著に異なるため、フリーランスとして活躍するためには戦略的に習得する言語を選択する必要があります。

開発言語というと、Python、SQL、Scala、Tableu、Javaが企業からの需要が高い言語であるため、優先順位を上げて習得する必要があるでしょう。

開発言語別データ分析案件の平均単価

フリーランスのデータサイエンティスト求人・案件を所有するエージェント企業が公表している、案件を元に分析されたデータを開発言語別に紹介します。

開発言語 平均単価(万円)
GitHub 145.0
Firebase 120.0
Hive 120.0
C言語 110.0
Scala 106.7
SAS 104.0
Flask 102.5
Java 101.2
SpringBoot 100.0
Git 100.0

出典:データサイエンティストのフリーランス求人・案件一覧

上記表から、GitHub、Firebase、Hiveを使用する案件の単価が高いことがわかります。ただし、高単価であっても公開求人数が少ない点が懸念されますので、安定的に案件を獲得して稼ぐのであれば、案件単価が低くとも公開求人数が多数あるJavaの習得がおすすめです。

また、GitHubやGCPは複数言語での開発が可能であるため、複数言語での開発スキルや経験を有していると単価が上がる傾向にあります。より高単価の案件を獲得したい場合は、複数言語の習得が必要になる点に留意してください。

エージェント別案件月額単価相場

フリーランスのデータサイエンティスト求人・案件を紹介しているエージェント企業が公表している、案件を元に分析された月額単価の相場を紹介します。

エージェントa

平均単価 90.8万円
最高単価 200万円
最低単価 20万円

出典:データサイエンティストのフリーランス求人・案件一覧

エージェントb

平均単価 72万円
最高単価 145万円
最低単価 40万円

出典:フリーエンジニアのIT案件ならレバテックフリーランス

今回ご紹介した情報は、各エージェントが保持する案件情報を元に分析した結果です。保持案件の月額単価には幅があるため、高額案件を獲得したい場合はできるだけ単価相場の高い案件を保持するエージェントを介しての参画がおすすめです。

単価相場を比較し、より高単価の案件に従事するために案件探しの際は複数のエージェントに登録しておくと良いでしょう。

フリーランスをするならデータ分析の領域がおすすめ


フリーランスとして活動するならデータ分析の領域がおすすめです。以下、おすすめの理由をご紹介します。

データ分析の案件が増加傾向にある

昨今、データアナリストやデータサイエンティスト向けの案件が増加傾向にあります。

株式会社フロッグの保有求人をもとにdatist(デイティスト)が調査したデータによると、2016年4月の求人数を基準としたときに、全職種の求人倍数が2.28倍の中で、データサイエンティストの求人数は7.33倍に増えており、データサイエンティスト向けの案件が増加していることがわかります。

また、同データによれば2016年4月〜2021年1月にかけてのデータサイエンティストの平均募集給与は111%(71万円)増加しており、2021年1月時点では710.2万円です。この平均募集金額は他IT職種よりも高くなっています。

出典:【2021年】 データサイエンティストの給与は●●円?5年間の求人データから読み解く人材需要の推移|datist|note

したがって、データサイエンティストの求人案件は近年増加傾向にあり、かつ、平均募集金額も増加傾向にあることがわかります。

IT職種の中でも最上位クラスの平均募集金額を誇っていますので、データ分析の素養がある場合はデータサイエンティストとして稼ぐことは十分に選択肢に入れて良いでしょう。

年収UPが見込める

企業に所属せずフリーランスとして活動することで顧客から直接賃金を受領できるため、年収UPが見込めます。

エージェント別案件月額単価相場で先述したとおり、一般的なフリーランスのデータサイエンティストの案件月額単価は70〜200万円程度です。これを年収に換算すると1,000万円を超える場合が多いです。

したがって、多くの企業務めのデータサイエンティストがフリーランスになった場合、年収UPが見込めるでしょう。

また、フリーランスで活動した場合、顧客への貢献度に応じて給与交渉しやすい点もメリットです。

データサイエンティストは市場に枯渇しており、かつ、価値の出せるデータサイエンティストは希少であることから、顧客に貢献できているのであれば給与交渉は比較的容易であると考えられます。

ライフプランに合わせた働き方ができる

雇用先の労働条件にもよりますが、ライフプランに合わせた働き方ができる点がメリットです。土日のみの稼働や平日の夜1~2時間のみの稼働も求人としてありますので、ご自身の生活に合わせた案件を選択できます。

日中は子育てがあるので、夕方に2時間だけ稼働する、週末の空き時間のみを利用して稼働するなど、ライフスタイルに合わせた稼働が可能です。他にも、以下のような働き方の実践例があります。

  • 1日2時間のスポット稼働
  • フルリモート稼働
  • 週1日稼働

データ分析領域のフリーランス案件事例

データ分析領域の案件事例を2つ紹介します。

案件①:競合他社や消費者の特性把握にAIを活用

米国に拠点を構える大手ホテルグループの事例を紹介します。

このホテルグループでは、中国に新ホテルを展開するにあたり市場調査をする必要があった際に、周囲のホテルとの差別化が急務でした。

そこで競合他社との差別化を目的に、ホテルのレビュー、顧客のフィードバックなどのデータをAI分析により整理し、カスタマーサクセスジャーニーマッピングや顧客の購入要因、競合との差別化ポイントの洗い出しを実施しました。

結果、差別化ポイントの洗い出しおよび独自のセールスポイントにつながる施策の立案につながっています。

参照:Case Study & Industry Reports – Singapore

案件②:見込み客のナーチャリングにAIを活用

国内の集客にデータ分析を活用した事例を紹介します。

SATORI社では、購買意欲の高い見込み客の継続的な創出を目的に実名の顧客だけではなく、匿名の顧客のナーチャリングに課題がありました。

そこでSATORI社はエッジテクノロジー株式会社のAI技術を活用した「SATORI」を活用し匿名の見込み客に対してナーチャリングを実施しました。結果、購買意欲の高い見込み客を創出し、セミナーの集客数の増加につながっています。

以上のように、データ分析時、武器となるツールを明確に所持しているとフリーランスとしての案件創出につながりやすいです。したがって、案件創出をする際は、まず自信がもてる強みを明確にする必要があります。

参照:【導入事例】人工知能・機械学習に強みを持つエッジテクノロジー株式会社が 国産MAツール「SATORI」を導入 – マーケティングオートメーションツール SATORI |

データ分析領域でフリーランスをするならエージェントの利用がおすすめ

当サイトでは、フリーランスとして案件を探す場合はマッチングエージェントの活用をおすすめしています。

クラウドソーシングなどマッチングサイトを利用して案件を見つける手段がまず考えられますが、システム利用料金として報酬の15〜25%程度を給与から差し引かれてしまうため、給与面でデメリットがあります。

他に友人や知人に案件を紹介してもらう方法も考えられますが、案件数が絶対的に少なくなってしまうため、自身の意向に沿う案件を見つけるのが難しい点にデメリットがあるでしょう。

一方でマッチングエージェントであれば、能力に見合った報酬を貰うことができる点、また、豊富な求人の中から自身の希望に合う求人を見つけやすい点にメリットがあります。

さらに、マッチングエージェントであれば、応募者と面談を実施し、これまでの経験、保持しているスキルをヒアリングし、条件に合った求人を紹介してくれるでしょう。案件のミスマッチが少なく、かつ、早期に案件を見つけられる点もメリットです。

まとめ

ビックデータの活用を背景に、データ分析が可能な人材への需要が高まっています。

一方で、データ分析人材の不足が各企業で起きているため、分析が可能な人材がフリーランスとして活動した場合、年収UPやライフプランに合わせた働き方の実現ができるでしょう。スキルと経験があるのであればフリーランスとしての活動がおすすめです。

弊社Liberty Nation(リバティネイション)では、データ分析の領域で活躍ができる人材を募集していますので、フリーランスとして活躍したい方はこちらよりご登録をお願いします。

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