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2021.12.13

データ分析に必要なスキル9選!データサイエンティストの仕事内容や勉強方法を解説

コンサル募集

技術革新が進み、今やどのようなビジネスでもさまざまなデータが取得できるようになりました。しかし、そのデータを適切に活用できる人は少なく、データ分析者の需要は非常に高い状況です。

そのため、現在勤める会社からデータ分析スキルを高めて欲しいと指示を受けたり、これからデータサイエンティストを目指したりする人は増えてきています。

そこで本稿では、データサイエンティストの仕事内容とともに、データ分析に必要なスキルやスキルアップする方法を詳しく解説します。

データ分析に必要なスキル

情報処理推進機構(IPA)はデータサイエンティストに求められる一般的なスキルを、以下の3つとしています。

スキル 定義
ビジネス 課題背景を理解し、ビジネス課題を整理・解決に導く力
データサイエンス 情報処理・人工知能・統計学などの情報科学系の知恵を理解し使う力
データエンジニアリング データサイエンスを意味のある形として扱えるようにして、実装・運用する力

上記それぞれを、弊社独自に細分化したスキルを詳しく解説します。

ビジネス領域のソフトスキル

データ分析を行う上では、ビジネス上の課題を抽出し、考えられうる最善の方法で解決に導くスキルが必要です。

そのスキルを細分化するとさまざまな要素に分けられますが、その中でも特に重要な能力は以下の3つのソフトスキルです。

  • 論理的思考能力(ロジカルシンキング)
  • プレゼンテーション力
  • マネジメント力

データ分析だけなら、人より機械が得意です。データサイエンティストだからこそ、誠実さや課題発見能力といったソフトスキルの高さが顧客への価値提供と人材市場での競争優位に繋がります。

参考までに、ソフトスキルとハードスキルの違いは以下の通りです。

スキル 概要
ソフトスキル 個人または他者と連携した仕事に影響を与える個人の習慣や特性 ・誠実さ
・信頼性
・問題解決能力
・学習意欲
・効果的な対話
ハードスキル 個人の経験を通じて得た専門的な知識または技術 ・統計分析
・データマイニング
・プログラム言語
・データベース管理
・語学力

論理的思考能力(ロジカルシンキング)

データ分析の目的は、ビジネス上の課題解決です。したがって、その目的に基づいて適切なデータを適切な手法で収集し、適切な観点から示唆を抽出しなければいけません。

そしてその「適切さ」を担保する能力が「論理的思考能力」です。

論理的思考能力が欠けていると、不必要なデータを収集して余計な工数(コスト)を産むばかりか、意思決定の参考にならず全く使えない情報を作ってしまう可能性があります。

いわば、論理的思考がデータ分析の方向性を定める羅針盤です。データ分析において最も重要な基礎能力なので、必ず身につけましょう。

プレゼンテーション力

データサイエンティストをはじめとしたデータ分析者は、ビジネス上の重大な意思決定を最善の選択に導く必要があります。そのため、分析によって得られた情報や示唆を意思決定者に適切に伝えなければいけません。

データ分析者の最終アウトプットは、ドキュメントかプレゼンテーションであることが多いです。したがって、意思決定に必要十分な情報が分かりやすく伝わるドキュメンテーション力と、提案への合意が得られるプレゼンテーション力が必要不可欠です。

伝わらない(または合意が得られない)提案は、プロセスの分析がどれだけ秀でていても一切の価値がありません。

マネジメント力

データ分析と聞くとスマートで無駄のない仕事のように感じるかもしれません。しかし仕事である以上は、良い成果を上げるための地道な下準備や、データクレンジング、進捗管理などのタスクが発生します。

時間の経過やビジネスフェーズなどさまざまな変数によってデータの持つ意味が変わる可能性があるため、作業計画の遅延が命取りになることもあります。したがって、作業計画の遅延や漏れがないように処理するための各種活動マネジメント力が必要です。

具体的には「プロジェクトマネジメント」「チームマネジメント」「セルフマネジメント」が求められます。

データサイエンス領域のスキル

大量のデータを適切かつ効率的に分析するためには、統計学や情報処理、機械学習などの情報科学を用いる必要があります。

基礎数学

データ分析において、基礎数学は共通語とも言える必須スキルです。

一般的な高校卒業程度の数学知識は必要不可欠で、特に必要な分野は「確率」「統計」「微分積分」「行列」です。

これからデータサイエンティストを目指すのであれば、データ分析の専門書をスムーズに理解するために、基礎的な「解析学」や「線形代数学」も理解しておくことをおすすめします。

データ分析技法

一般的なデータサイエンティストがデータ分析を進める場合、統計処理や数理モデルの作成は当たり前のように行われます。そのため、統計処理や数理モデル作成などのデータ分析技法の習得は必須です。

有名なデータ分析技法としては「重回帰分析」「決定木分析」「クラスタリング」などが挙げられます。

また、機械学習によってデータサンプルを生み出す手法もあるため、機械学習関連の専門知識や技術についても習得しておくと良いでしょう。

データ分析ツールのスキル

一般的なビジネスパーソンであればExcelを利用して簡単なデータ分析を行いますが、データサイエンティストの場合はExcelを含めた多種多様な分析ツールを活用する必要があります。理由は、Excelで扱えるデータ量には限界があるからです。

分析ツールの代表例としては「SPSS」「Tableau」などが挙げられます。

「SPSS」はIBM社が提供する統計分析ツールで、GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)のためプログラミングを必要とせず、簡単な操作で分析を行えます。

Tableau Japan社が提供する「Tableau(タブロー)」も「SPSS」同様に画面上で簡単に操作できる統計分析ツールで、国内企業では資生堂やNTTデータ、パルコなどが導入しています。

データエンジニアリング領域のスキル

データエンジニアリングとは、データサイエンスを効率的に行うための土台づくりのことです。大量のデータを扱うデータサイエンティストにとって、効率性や保守性の担保は重要な課題です。

プログラミング

データ分析を効率的に行うために、プログラミングが必要なケースが頻繁にあります。

近年、データ分析業務で使用されるプログラミング言語は「Python」が人気ですが、「R」や「Ruby」もよく使われています。

プログラミング未経験者がこれからプログラミング覚える場合は、実装が簡単なPythonから始めることをおすすめします。理由は、他のプログラミング言語に比べて、必要となるコード量が少ない上に学習コストが低いからです。

データベース

データ分析者には、大量のデータを蓄積、加工、共有できるデータベースの設計と保守・運用スキルが求められます。

データをステークホルダーへ共有するためには、非エンジニアでも簡単にデータを閲覧できる仕組みを作る必要があります。また、データ分析を効率的に行うためには、データを適切に分解および紐付けができる環境構築が必要です。

このような仕組みや環境はデータベースによって構築されます。そのため、データベースに関する専門知識がなければ、データ分析者として活躍することは難しいと言えます。

情報セキュリティ

データ分析者は大量のデータを取り扱いますが、一つひとつのデータは機密性の高いものであることが多々あるため、重要な情報が漏洩しないように情報セキュリティのスキルも磨かなければいけません。

データ分析者・データサイエンティストの仕事内容

データサイエンティストの仕事は、データを活用してビジネス上の課題を解決することです。これはどんなデータサイエンティストでも共通の最終目標です。

しかし、具体的な仕事内容や業務ミッションは「ビジネス寄りのデータサイエンティスト」と「研究者寄りのデータサイエンティスト」で大きく異なります。

ビジネス寄りのデータサイエンティストは、他方より事業の近くで事業KPIの向上をミッションにデータ分析を行います。たとえば、顧客の行動データから示唆出しを行い、最も事業的なインパクトのある施策を選択・提案します。

研究者寄りのデータサイエンティストは、利益に直接結びつきにくい先端技術の研究開発をミッションにデータ分析を行います。たとえば、機械学習や人工知能(AI)など機械知能化に繋がる情報技術の研究開発をします。

このように「ビジネス寄り」と「研究者寄り」の間には実務内容に大きな違いがあるため、これからデータサイエンティストを目指す方はどちらのタイプになるかを決めておく方が良いでしょう。

最後に、データサイエンティストに混同されがちな「データアナリスト」と「データエンジニア」の違いについても以下にまとめました。

データ分析関連職業 仕事内容
データアナリスト 主業務はデータ分析。分析の流れは定型化されていることが多く、データサイエンティストよりも業務範囲は広くない。
データサイエンティスト データ分析に関連するおおよそ全ての業務を行う。統計学・数学・情報技術を活用して、データ取得・蓄積・モデル構築・検証などを行う。
データエンジニア 主業務はデータ分析を行うためのインフラ環境構築と保守・運用。データ分析業務の課題を解決するためのシステム基盤の開発を担う。

データ分析・データサイエンティストに必要なスキルを高める方法

データ分析スキルを高めるための方法をご紹介します。

実務経験を積む

何事も実戦に勝るものはありません。生のデータを使って、実際の環境でデータ分析を重ねることが一番効率的にスキルを向上させられます。

大量のデータを用意できれば、機械学習や分析技法などのハードスキルを身に着けることは可能です。しかし、同じデータでもデータの活用者(または事業者)が変わるとデータの持つ意味が変わるため、求められるスキルも異なります。

応用力を身につけたい場合は、本業だけでなく副業を通して多様な生データに触れる機会を自ら作ることをおすすめします。

副業でデータ分析の実務経験を増やしたい方は、ぜひ弊社Liberty Nationをご活用ください。データ分析者を求めているプロジェクトをご紹介可能です。弊社へは以下ページ下部のバナーよりご登録いただけます。

データ分析関連の資格を取得する

データ分析に必要なノウハウを体系的に学べる資格を以下の通りです。

  • 統計士
  • データ解析士
  • 統計検定
  • 基本情報技術者試験
  • 応用情報技術者試験
  • データスペシャリスト試験
  • OSS-DB技術者認定試験
  • オラクルマスター
  • G検定
  • E資格
  • Python3 エンジニア認定データ分析試験

実務を通して学ぶだけでは基礎理論の理解が追いつかず、応用力が身につかないこともあるため、資格の取得プロセスで各理論を基礎から学ぶことをおすすめします。

なお、各資格の特徴や難易度などの詳細は、以下の記事で解説しています。ぜひこちらも読んでみてください。

▼関連記事
データ分析・データサイエンティストにおすすめの資格11選!取得メリットや難易度を解説!

オンライン勉強会やコンペティションに参加する

データ分析に関するオンライン勉強会やセミナーは数多く実施されています。

セミナーは、TECH PLAYなどのセミナー検索サイトで探すと簡単に見つけられるので、一度サイト内で「データ分析」と検索してみてください。

コンペティションは「Kaggle」「SIGNATE」「NISHIKA」などがあります。Kaggleは世界的に有名なデータサイエンスのコンペティションで英語力が必要のため、英語に不安がある方は運営元が日本のSIGNATEに挑戦すると良いでしょう。

勉強会やコンペティションへの参加は、他の人と切磋琢磨でき、スキルアップにも人脈作りにも効果的です。ぜひ時間を見つけて参加してみてください。

データ分析の勉強方法は以下にて詳しく解説しています。こちらもぜひ読んでみてください。

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データ分析の勉強方法は?データサイエンティストに求められるスキルも紹介

まとめ

データ分析には、データ分析技法やプログラミング言語などの「ハードスキル」と論理的思考力やプレゼンテーション力などの「ソフトスキル」の両方が必要です。

これらのデータ分析スキルを高めるのであれば、実務経験を積むのが一番効率的です。

これから本格的にデータサイエンティストを目指すのであれば、まずは副業でデータ分析の仕事を受注してみてはいかがでしょうか。

弊社Liberty Nationでは、高度なデータ分析に関する仕事をご紹介しています。「フルリモート」や「短日勤務」などの働き方に関するご希望も可能な限りお応えしていますので、お気軽にご相談ください。登録は以下バナーより可能です。

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