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2022.3.2

【2022年最新版】M&Aの事例21選と最新動向を解説!

コンサル募集

M&Aの事例には多くの情報が詰まっています。

今回は2021年の最新事例を厳選。日本国内、または海外の大企業・中小企業で実施されたM&Aの事例を集めました。2022年に活かせる最新動向も解説するのでご活用ください。

2021年から学ぶ!M&A事例の最新動向とは?

まずは、2021年のM&A事例から最新動向を解説します。

コロナ禍による停滞は回復

新型コロナウイルスの影響で2020年4〜5月は減少傾向にありましたが、6月以降から回復しています。2021年からM&Aの件数はピークを迎え、過去最多を記録しました。

不採算企業の切り離し売却が増加中

新型コロナウィルスの影響で、業績の悪い不採算事業の売却が増加傾向にあります。

売却はコロナ前からの課題ではありましたが、景気悪化のあおりを受けスケジュールが前倒しされました。

ヘルスケア分野の買収が活発化

日本のM&Aの買収対象がヘルスケアに集中し、特に製薬関連が活発化しています

旭化成、富士フイルムホールディングス、大日本住友製薬が大型買収を実施するなど、競争優位性に注目して、自社に欠けているテクノロジーを持った企業の買収が目立ちました。

同じく、規模の優位性を高めるための買収も続いています。

【2021年】最新のM&A事例

2021年の最新のM&A事例を集めました。

東和薬品が三生医薬を買収

「東和薬品」が「三生医薬」を買収し、完全子会社化となった事例です。

売り手企業の概要

売り手企業は、静岡県富士市にあるサプリメントなど健康食品の開発や受託生産を手がける「三生医薬」です。

買い手企業の概要

ジェネリック医薬品専門の製薬会社の「東和薬品」が買い手企業です。

M&Aの目的・背景

他社で発覚した品質問題の影響で、主力の後発薬の供給不足が深刻化したことによる事業環境の見通し悪化を背景に、健康食品事業に進出・収入の柱にすることをM&Aの目的としています。

三生医薬の開発力の高さ・スピードが買収の狙いです。

M&Aのプロセス・スキーム

東和薬品は約476億円で三生医薬を買収、2022年3月までに米投資ファンドから全株式を取得し三生医薬を完全子会社化していきます。

参照:東和薬品、健康食品の三生医薬を買収 476億円で: 日本経済新聞

伊藤忠商事が西松建設と資本業務提携

「伊藤忠商事」と「西松建設」が資本業務提携契約を結び、伊藤忠商事が筆頭株主となった事例です。

売り手企業の概要

売り手企業は、大手総合建設業者の「西松建設」です。

買い手企業の概要

繊維、機械、金属などを取り扱う大手総合商社の「伊藤忠商事」が買い手企業です。

M&Aの目的・背景

共同で不動産事業を強化し、SDGsなどの社会課題に取り組みます。

経営資源やノウハウの集結で連携を深化、さらなるシナジー創出へつなぐことで企業価値向上が可能と判断されたという背景から、資本提携にいたっています。

M&Aのプロセス・スキーム

資本業務提携契約を結び、西松建設の株を10.16%保有。伊藤忠商事が筆頭株主となりました。

参照:伊藤忠商事、西松建設と資本業務提携契約締結

伊藤忠と西松が資本業務提携、物流開発など強化へ

ENEOSがVKT-Hoa An Joint Stock Companyを買収

「ENEOS」が株式を取得し、「VKT-Hoa An Joint Stock Company」を買収した事例を見ていきましょう。

売り手企業の概要

売り手企業は、電源開発を行う「VKT-Hoa An Joint Stock Company」です。この「VKT-Hoa An Joint Stock Company」という企業は、自然電力株式会社の子会社であるShizen Malaysia Sdn. Bhd.の事業会社です。

買い手企業の概要

石油の精製や販売を主に行う、ENEOS株式会社のベトナム現地法人「ENEOS Vietnam Company Limited」が買い手企業です。

M&Aの目的・背景

ENEOSは、自社排出分のカーボンニュートラルの実現と再生可能エネルギーの事業拡大とともに、収益の安定化を目的としています。

M&Aのプロセス・スキーム

19%の株式をENEOSが取得しており、ベトナムにて大規模な太陽光発電事業に初参画しています。

参照:ENEOS、ベトナム企業の株式取得、初の太陽光発電事業参画へ

富士フイルムがHOYAを買収

富士フイルムホールディングスの子会社である「富士フイルムビジネスイノベーション」が「HOYAデジタルソリューションズ」の買収を行った事例です。

売り手企業の概要

売り手企業は、マイクロソフトへ統合基幹業務システムを販売、導入支援している「HOYAデジタルソリューションズ」です。

買い手企業の概要

買い手企業は「富士フイルムビジネスイノベーション」で複合機事業を運営している機械メーカーです。

M&Aの目的・背景

HOYAのITサービスを取り込み、DXを強化することが目的で、富士フイルムの基幹システムを順次マイクロソフト・ダイナミクスに置き換えていくことを発表しています。

M&Aのプロセス・スキーム

2022年1月1日付で、HOYAデジタルソリューションズの全株式を買収。買収額は非公開となっています。また同日には、新会社である「富士フイルムデジタルソリューションズ」を立ち上げました。

参照:富士フイルムビジネスイノベーション DX領域の事業成長の加速に向け HOYAデジタルソリューションズを買収

富士フイルムBI、HOYAのIT子会社買収 DX関連を強化: 日本経済新聞

【2020年】直近のM&A事例

ここでは、直近のM&A事例をご紹介していきます。

※2020年以前の事例も紹介しています

ヤフーがイーブックイニシアティブジャパンを公開株式買付

「ヤフー」が「イーブックイニシアティブジャパン」を公開株式買付し、「Yahoo!ブックストア」の運営をイーブックに委託した事例です。

売り手企業の概要

売り手企業は、「イーブックイニシアティブジャパン」という電子書籍ストアを運営する企業です。

買い手企業の概要

買い手側は、eコマース企業の「ヤフー株式会社」です。

M&Aの目的・背景

ヤフーが運営している「Yahoo!ブックストア」は女性、イーブックイニシアティブジャパンが運営する「イーブック」は男性の利用者が過半数を占めています。そのため、ユーザーを相互活用することで生まれる相乗効果をM&Aの目的としています

具体的には、以下の4つのシナジー効果を期待しています。

  • コンテンツの相互補完におけるシナジー
  • 販売手法やマーケティングデータなどを共有し活用した際の販売促進におけるシナジー
  • アクセスデータやユーザーの意見を活用し、改善したシステム開発におけるシナジー
  • 過去のデータを活用してSEM(サーチエンジンマーケティング)の改善によって得られる集客におけるシナジー

参照:ヤフー、電子書店「eBookJapan」を20億円で子会社化–4つのシナジーに期待 – CNET Japan

M&Aのプロセス・スキーム

買収額は約20億6,300万円で、「Yahoo!ブックストア」の運営をイーブックに委託する方針です。

参照:ヤフー、「eBookJapan」運営会社をTOBで子会社化へ – ITmedia ビジネスオンライン

シャープが東芝パソコン事業を買収

「シャープ株式会社」が「東芝クライアントソリューション株式会社」を買収した事例です。

売り手企業の概要

売り手企業は東芝PC子会社である「東芝クライアントソリューション株式会社(TCS)」です。国内外でパソコン・ソリューションシステム事業を展開しています。

買い手企業の概要

買い手企業は、電機メーカーの「シャープ株式会社」です。

M&Aの目的・背景

撤退したPC事業への再参入を目的としています。シャープは東芝の事業を買収し、生産の効率化と事業の拡大を目指します。

シャープが自社にて力を入れているAI(人工知能)IoTプラットフォームを、TCSが開発し提供するPC機器やサービスと組み合わせ、さらに強化することも目的の一つです。

M&Aのプロセス・スキーム

株式の80.1%を約40億円で取得、従業員2,200人を継承しました。

参照:シャープが東芝パソコン事業を買収、ダイナブックや従業員2200人継承 – Bloomberg

メルペイがOrigamiを買収

「メルペイ」が「Origami」を買収した事例です。

売り手企業の概要

売り手企業は、スマートフォン決済サービス「Origami pay」を提供する「Origami」です。

買い手企業の概要

買い手企業の「メルペイ」は、メルカリのスマホ決済サービスを提供しています。

M&Aの目的・背景

「Origami pay」が持つ地域性の強みを生かし、地域の中小事業者へメルペイ導入を推進することを目的としています

M&Aのプロセス・スキーム

メルペイが、Origamiの全株式を取得。メルカリグループに参画する形となりました。Origamiのネットワークを活かし、利用促進キャンペーンなどを行っています。

参照:株式会社Origamiのメルカリグループ参画に関するお知らせ

グリーが3ミニッツを買収

「グリー株式会社」が「株式会社3ミニッツ」を買収し、完全子会社化した事例です。

売り手企業の概要

売り手企業は、ファッション動画マガジンを提供、メディアやインフルエンサーマーケティングなどを行う「株式会社3ミニッツ」です。

買い手企業の概要

ゲーム・メディア事業を展開する「グリー株式会社」が買い手企業です。

M&Aの目的・背景

主軸のゲーム事業の縮小を危惧したグリーが、人材と安定した財務基盤を3ミニッツに投入することにより、新たに参入した動画広告市場においてのさらなる成長を目的としています。

M&Aのプロセス・スキーム

買収額は43億円、グリーが3ミニッツを完全子会社化しました。

参照:グリー株式会社 (GREE, Inc.) – ニュース – プレスリリース – 2017年 – 株式会社3ミニッツの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

シナジー効果が生まれた成功事例

ここでは、シナジー効果が生まれた成功事例を集めました。
※2020年以前の情報も紹介しています

大正製薬がドクタープログラムを買収

「大正製薬」がキョーリン製薬ホールディングスの子会社「ドクタープログラム」を買収し​​100%子会社化した事例です。

売り手企業の概要

売り手企業は、基礎化粧品の開発と販売を行う「ドクタープログラム」です。

買い手企業の概要

買い手側の「大正製薬」は医療品、健康関連商品とサービスを提供する企業です。

M&Aの目的・背景

ドクタープログラムのスキンケア領域は通信販売が主軸です。大正製薬は買収によりスキンケア、通販事業を効率的に強化することを目的としました。また、販売網やノウハウを共有・活用したシナジー効果を期待して買収を進めました。

M&Aのプロセス・スキーム

大正製薬がドクタープログラムの全株式を取得し100%子会社化、全従業員・事業資産を引き継いでいます。

参照:大正製薬/通販化粧品会社ドクタープログラムを買収 | 流通ニュース

M&A成功事例60選!取引規模・業界別、海外企業のケースも紹介【2021年最新版】

楽天がFablicを買収し完全子会社化

「楽天株式会社」が「Fablic」を買収し、完全子会社化した事例です。

売り手企業の概要

売り手企業は、フリマアプリ「フリル(FRIL)」を運営する「Fablic」です。

買い手企業の概要

買い手企業は、インターネット関連サービスを展開する「楽天株式会社」です。

M&Aの目的・背景

両社の顧客基盤・サービスの強みを活かし、ユーザー層の拡大、利便性向上を目的としています。

M&Aのプロセス・スキーム

株式取得額は非公開となっています。楽天株式会社がFablicの全株式を取得し、完全子会社化しています。

参照:楽天グループ株式会社: 楽天、フリマアプリ「フリル(FRIL)」を提供するFablic社を買収 | ニュース

ロート製薬がAJ North社を買収

「ロート製薬」が南アメリカの企業「AJ North社」を買収した事例です。

売り手企業の概要

売り手企業は南アフリカの歯ブラシメーカーで、化粧品や日用品を販売している「AJ North」です。

買い手企業の概要

買い手企業は、製薬会社の「ロート製薬」です。

M&Aの目的・背景

ロート製薬はケニア、東・西アフリカにて事業を展開しています。この売買で、さらにアフリカ南部への事業展開の加速、市場の拡大を目指しました

M&Aのプロセス・スキーム

ロート製薬は、AJ Northの株式を100%取得し完全子会社化しました。このM&Aにより、ロート製薬は歯ブラシのみならず、ビューティーヘルスなど新たな分野への市場を獲得しています。

参照:ロート製薬<4527>、南アフリカの日用品メーカーAJ Northを買収

シナジー効果の意味とは?M&A成功事例や多角化戦略、使い方をわかりやすく解説

【日本国内】大企業のM&A事例

ここでは、日本国内の大企業のM&A事例を集めました。

ヤフーがZOZOを買収

「ヤフー株式会社」が「ZOZO」と資本・業務提携を結び、連結子会社化した事例です。

売り手企業の概要

売り手企業は、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営する「ZOZO」です。

買い手企業の概要

買い手企業は「Yahoo! JAPAN」を運営する「ヤフー株式会社」です。

M&Aの目的・背景

ヤフー株式会社のメイン事業である広告事業にプラスして、EC事業の強化が目的です。ZOZOが持つ物流機能を吸収し、質の高いフルフィルメントサービスの提供を目指しています。

M&Aのプロセス・スキーム

ヤフー株式会社が、約4,000億円でZOZOの株式の約50.1%を取得。これによりZOZOと資本・業務提携を結び、連結子会社化しています。

参照:ヤフーがZOZO買収に至った理由とは? ヤフー・ZOZO・前澤氏、三者三様の思惑(1/3 ページ) – ITmedia NEWS

ソフトバンクがLINEモバイルを買収

2020年、「ソフトバンク株式会社」が「LINEモバイル株式会社」を完全子会社化および吸収合併を行うことを発表しました。

売り手企業の概要

売り手企業は、格安SIM・格安スマホのサービスを提供する「LINEモバイル」です。

買い手企業の概要

買い手企業の「ソフトバンク株式会社」は、携帯電話の無線サービスを提供する大手電気通信事業者です。

M&Aの目的・背景

LINEがデータ容量を消費せず使い放題になる新ブランド「LINEMO」の設立が目的であり、これによりLINEでソフトバンクのさまざまな手続きができるようになりました。完全子会社化は、協業の一環によるものです。

M&Aのプロセス・スキーム

ソフトバンクはLINEモバイルの全株式を取得し、2021年4月9日付で完全子会社となっています。

参照:当社によるLINEモバイル株式会社の完全子会社化および吸収合併に向けた検討に関するお知らせ | プレスリリース | ニュース | 企業・IR | ソフトバンク

ソフトバンクがLINEモバイルを完全子会社化 – ITmedia Mobile

ビックカメラがエスケーサービスを買収

「ビックカメラ」が「エスケーサービス」を簡易株式交換により、完全子会社化した事例です。

売り手企業の概要

売り手企業は、家電の配送などを手がける「エスケーサービス」です。

買い手企業の概要

買い手企業の「ビックカメラ」は​​、家電量販店を運営しています。

M&Aの目的・背景

大型家電の配送に強みのあるエスケーサービスを買収し、商品の配送、設置や工事の品質を高め、顧客満足度の向上を狙いました

M&Aのプロセス・スキーム

ビックカメラは、エスケーサービスを簡易株式交換により完全子会社化しています。株式交換比率は、ビックカメラ:エスケーサービス = 1:301で、第三者機関の算定によりこの割合となりました。

参照:M&A成功事例60選!取引規模・業界別、海外企業のケースも紹介【2021年最新版】

【日本国内】中小企業のM&A事例

ここでは、日本国内の中小企業のM&A事例を集めました。

ゴーゴーカレーがスニタトレーディングを買収

「ゴーゴーカレーグループ」が「スニタトレーディング」の製造部門を買収した事例です。

売り手企業の概要

売り手企業は、インド料理屋を運営する「有限会社スニタトレーディング」です。スニタトレーディングは、国内7店舗を展開する「本場インド料理店サムラート」の工場を運営しています。

買い手企業の概要

買い手企業は、金沢カレーの「ゴーゴーカレー」をチェーン運営している「ゴーゴーカレーグループ」です。

M&Aの目的・背景

スニタトレーディングは、「ハラール料理」が作れるサラムート工場を持っていたものの利益を出せなかったため、工場を手放すことを検討していたという背景があります。

一方ゴーゴーカレーグループでは、イスラム教徒の人がイスラム法で食べられるハラール料理を作れる工場を必要としていました。

このような背景からM&Aを検討、ゴーゴーカレーのPR活動やEC販売とスニタトレーディングのインドでの人脈やスパイスのネットワークを掛け合わせたことによる相乗効果も売買の目的としています

M&Aのプロセス・スキーム

ハラール料理を製造できる工場を持つスニタトレーディングの製造部門を、ゴーゴーカレーに事業譲渡しました。

参照:1+1=100になるM&A。パートナーを組むことで鮮明になった世界展開【M&A事例】|ビズリーチ・サクシード

TRUTH LOGISTICSが有限会社東航を買収

「TRUTH LOGISTICS」が「有限会社東航」を買収し、事業継承した事例です。

売り手企業の概要

売り手企業は、輸出入貨物の配送や産業廃棄物の運搬処理を行う「有限会社東航」です。

買い手企業の概要

買い手企業の「TRUTH LOGISTICS」は、国際物流輸送業者として海上・航空輸送や通関のロジスティクスサービスを展開しています。

M&Aの目的・背景

東航の代表が引退を考えたことと後継者の不在をきっかけに、M&Aでの譲渡を検討しました。従業員、協力会社とのつながりを維持するために事業承継を決めています

一方TRUTH LOGISTICSは陸路での運送事業の展開を目指し、ドライバーや車庫の獲得のために買収を進めました

M&Aのプロセス・スキーム

東航がTRUTH LOGISTICSに株式譲渡。成約後も「東航」の名前を残した事業継承となりました。

参照:この“ご縁”は偶然か必然か。インターネットが繋いだ運命的なM&Aとは【M&A事例】|ビズリーチ・サクシード

新栄工業がアポロ工業を買収

「有限会社新栄工業」が「アポロ工業株式会社」を買収した事例です。

売り手企業の概要

売り手企業は、金属プレス加工メーカーの「アポロ工業株式会社」です。

買い手企業の概要

買い手企業の「有限会社新栄工業」は、千葉県にある金属プレス加工メーカーです。

M&Aの目的・背景

アポロ工業株式会社の後継者の不在が、M&Aを行った背景です。従業員から「雇用と技術を守りたい」との声があがり、M&Aを検討しました。一方アポロ工業株式会社は、技術面の成長・育成を目的としています。

M&Aのプロセス・スキーム

メインバンクである常陽銀行に相談後、ビズリーチ・サクシードに登録。新栄工業へのM&Aが成立しました。

参照:廃業検討から一転、事業シナジーを生む金属プレス加工メーカー同士の出会い【M&A事例】|ビズリーチ・サクシード

テクノモバイルがCOMBOを買収

「株式会社テクノモバイル」が「株式会社COMBO」を買収した事例です。

売り手企業の概要

売り手企業の「株式会社COMBO」は、宮城県にあるVR・AR開発を手掛けている企業で、従業員は34名程度です。

買い手企業の概要

買い手企業は、モバイルアプリやWebシステム開発などを手がける「株式会社テクノモバイル」です。

M&Aの目的・背景

COMBOが知人の経営者よりシステム開発事業を譲り受け、25人に社員が増えたことと新型コロナウイルスの影響による経営悪化を危惧したことがM&Aを検討した背景となります。従業員の雇用を守るため、大規模案件を持つ企業との事業連携を目指しました。

一方テクノモバイルは既存事業のバリューチェーンの拡大優秀なエンジニアの確保を目的としています。

M&Aのプロセス・スキーム

COMBOがテクノモバイルに株式譲渡。初回の面談で経営者同士が合意しており、2か月での成約となりました。

参照:VR/AR開発に強みをもつ企業の価値が評価され、初回面談で合意 M&A直後からグループ間でシナジーを生む|ビズリーチ・サクシード

海外のM&A事例

ここからは、海外のM&A事例をご紹介します。

セブン&アイ・ホールディングスが米スピードウェイを買収

まずは、「セブン&アイ・ホールディングス」が「スピードウェイ」を買収した事例です。

売り手企業の概要

売り手企業は、米国オハイオ州でガソリンスタンド併設型のコンビニエンスストア事業を運営する「スピードウェイ」という企業です。

買い手企業の概要

セブン-イレブン・ジャパン、イトーヨーカ堂などを傘下に持つ「セブン&アイ・ホールディングス」が、買い手企業です。

M&Aの目的・背景

北米におけるガソリンの売り上げ回復と北米での店舗拡大、営業収益の増収をM&Aの目的としています。

M&Aのプロセス・スキーム

セブン&アイ・ホールディングスは約2兆3,000億円でスピードウェイを買収、目的である北米の店舗について、約14,000店舗まで増やしています

参照:セブン&アイ、スピードウェイ買収は「千載一遇のチャンス」 強気の井阪社長、背景に“米国特有のコンビニ事情”:大幅増収の予想(1/2 ページ) – ITmedia ビジネスオンライン

三菱商事と中部電力がオランダEneco社を買収

「三菱商事」と「中部電力」が、「Eneco」を買収した事例です。

売り手企業の概要

売り手企業は、オランダ、ベルギー、ドイツの3ヵ国を中心に再生可能エネルギー事業を展開する「Eneco」です。

買い手企業の概要

売り手企業は、三菱グループの大手総合商社「三菱商事」と電力会社の「中部電力」の2社となっています。共同での買収を行いました。

M&Aの目的・背景

Enecoが持つ技術とノウハウの吸収が目的であり、欧州での再エネエネルギー事業拡大を狙っています

M&Aのプロセス・スキーム

三菱商事と中部電力が共同でDiamond Chubu Europe B.V.を設立し、約5,000億円で100%の株式を取得しEnecoを買収しました。

参照:オランダ総合エネルギー事業会社Eneco社の買収

テスラがスタートアップ企業DeepScaleを買収

「テスラ」が「DeepScale」を買収した事例です。

売り手企業の概要

売り手企業は、自動運転車向けの知覚システムの開発を手掛ける「DeepScale」という企業です。

買い手企業の概要

買い手企業の「テスラ」は、電気自動車やソーラーパネルなどを販売しています。

M&Aの目的・背景

テスラは、自動運転知覚システムの改善と優秀な人材の確保を目指しており、高精度な知覚システムの開発を手掛けているDeepScaleのノウハウと人材の活用がM&Aの目的とされています。

M&Aのプロセス・スキーム

買収金額は非公開となっています。DeepScaleの共同創業者フォレスト・イアンドーラがテスラ社の自動運転技術の開発チームに参加したことを公表しました。

参照:テスラが買収したAIスタートアップ「DeepScale」のポテンシャル | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

【2019年版】海外スタートアップのM&A事例5社

まとめ

2021年の最新動向をみると、コロナ禍による停滞は回復傾向にあります。不採算企業の切り離し売却が増加し、ヘルスケア分野の買収が活発化しました。

M&Aの事例からは、多くのことを学ぶことができます。現在M&A関連の仕事へ転職しようとしている人や既にM&Aアドバイザーをしている方のなかにフリーランスでの活動を視野に入れている方は、ぜひ弊社Liberty Nation(リバティネイション)をご活用ください。

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