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2022.1.31

ERPって何?導入のメリットや種類、基幹システムとの違いをわかりやすく解説

コンサル募集

ERPとはEnterprise Resources Planningの略で、経営に必要なデータを一元化する管理システムを意味しています。近年では「ビッグデータ」や「データアナリティクス」などの言葉もよく聞くようになり、データ管理の重要性は、ますます高まってきました。

そこで今回は、データ管理には欠かせないERPについて、概念やメリット・デメリット、どのような種類があるのかについても徹底解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。

ERPの概念

ERPは、生産管理を目的としたMRP(Material Resource Planning)​​という手法が元となっています。

具体的には、MRPの概念を一般企業の経営にも活かすことで資源のムダを無くし、生産効率を向上させる考え方を指します。

ERPのメリット

ERPのメリット

ERPを導入することで、会計・人事・生産といった情報の一元管理が可能となります。ここでは、一元管理により得られるメリットやその他のメリットにも触れていきますので、ぜひ参考にしてみてください。

タイムリーな経営状況の見える化

ERPでは、たとえば以下のような情報をリアルタイムに把握できます。

  • 売上
  • 利益
  • 生産コスト
  • 債券

これらデータは、ERPにより見える化されるだけではなく、会社全体で共有することも可能です。

これまで部門ごとにチェックしていた情報は、いつでも好きなときに把握できるようになるため、経営者だけでなく社員個人でも素早い意思決定を下せるようになります。

データやセキュリティの一元管理

社内の帳票や会計処理、人事管理などのデータを一元管理することは、セキュリティ管理の一元化にもつながります。

ただし、データを一元管理できるERPは、ハッカーの標的にならないとも限りません。取引履歴やクレジットカード情報など、個人情報が一度でも漏洩してしまえば、企業の信用に大きな打撃を与える可能性があります。

そうした攻撃から大切な情報を守るため、今ではデータの暗号化機能を搭載したERPも登場しています。編集権限やアクセス権限などの制限をしておけば、内部漏洩も未然に防ぐことが可能です。

業務の効率化

データ管理の一元化と社内共有により、企業に関する情報を一目で把握できるため、チェックにかけていた時間の短縮が期待できます。また、部署・部門ごとのデータ入力や管理にかけていた手間も、一元管理により大幅軽減が可能です。

これまで管理業務に割いていた時間は、他の業務に充てられるようになり、会社全体の生産性を高めることにつながります。

ERPのデメリット

ERPにはメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。ERPを導入する前に、以下のデメリットついても把握しておきましょう。

自社に合うシステム選びが難しい

ERPには、国産だけでなく海外産の製品も多く存在しています。価格や搭載機能も多種多様で、その中から自社に最適なシステムを選ぶことは、それなりに骨の折れる作業です。

ただし自社に合わないシステムを選んでしまえば、情報の一元管理をしている関係上、リプレイスが困難にもなります。安易に「とりあえずこれでいいか」と導入するのではなく、各部署の方と協力しつつ、事前にシステムに必要な仕様や機能を洗い出しておきましょう

洗い出した内容を元に、候補となるERPを絞り込んでいくのが得策です。

導入・保守費用が高額になりがち

ERPは、あらゆる情報を膨大に管理してくれるシステムです。その分、導入コストや導入後の保守費用など、多額の費用がかかるケースが多くあります。

たとえば初期費用では、数百万円程度かかることも珍しくありません。ERPの導入を検討する際は、価格も含めて自社に合ったツールを選ぶようにしましょう。

社内で導入意図・活用方法を共有する必要がある

ERPで正しく全データを一元管理するには、各社員が正確な情報を入力する必要があります。しかし新しくERPを導入しても、使い方がわからなかったり使い勝手が悪かったりしては、一元化がうまくいかず業務効率の向上も望めません

また、新しいシステムを導入する場合、どうしても社内で摩擦が生じます。その摩擦を軽減するためにも、ERPを導入する意図や活用方法については、事前に全社員に共有しておくことが大切です。

ERPと基幹システムの違い

ERPと基幹システムとでは、そもそも導入目的や管理範囲が異なります。ここでは、これら2つの違いを具体的に紹介していきます。

違い①:導入目的

基幹システムでは、現場業務の効率化が導入の目的となります。たとえば、販売に関わる管理業務を軽減する目的で、販売管理システムを導入するといったことが挙げられます。

一方ERPでは、会社経営の強化が導入の目的です。全ての業務に関するデータを一元管理することで、経営状況を見える化し、今後の戦略に活かすヒントを得ることを目的としているのです。

基幹システムは業務視点、ERPは経営視点と、これら2つは視点の面でも異なります。

違い②:管理範囲

基幹システムの管理範囲は、部署ごとに独立した業務に特化しています。たとえば、人事部であれば人事システム、経理部であれば財務会計システムといった具合です。

一方のERPでは、全てのシステムを統合して管理するものとなります。ERPは言わば、基幹システムを進化させたものと捉えるとイメージがしやすいかもしれません。

ERPの導入形態

ERPの導入形態は、自社で直接導入する「オンプレミス型」と、他社サービスから間接的に導入する「クラウド型」に分けられます。ここでは、これら2つについて詳しく解説していきます。

オンプレミス型

オンプレミス型のERPでは、自社のサーバーに対してシステムを導入していきます。自社開発なので、システムを自由にカスタマイズできる点がメリットです。

ただし、オンプレミス型のERPは初期費用に多額の費用が必要となります。大人数での利用を検討している場合や、長期にわたって利用する場合であれば、オンプレミス型はおすすめです。

クラウド型

クラウド型のERPは、サービス会社が構築したシステムにアクセスすることで利用できます。またクラウド型は、大きく以下の3つに分けられます。

プライベートクラウド 自社で契約したデータセンターにERPを導入する
パブリッククラウド サービス会社のデータセンターに導入されたERPを利用する
ハイブリッドクラウド プライベートクラウド・ハイブリッドクラウドの2つを併用してERPを利用する

いずれも、オンプレミス型と比べ手間がかからず安く導入できるメリットがあります。ユーザー数に応じて月額課金されるため、少人数や短期での利用にはおすすめの方法です。

反面で、大人数での利用や長期利用となると、かえってコストが高くなるため注意が必要です。

ERPの種類

ERPの種類には、大きく以下の3つがあります。

  • 幅広くカバーできる「統合型」
  • 必要なタイミングで機能を増やせる「コンポーネント型」
  • 一つの機能に特化した「業務ソフト型」

それぞれ詳しく解説していきます。

統合型ERP

統合型ERPは、会計・販売・人事など、経営に関わる幅広い業務をカバーしているERPです。各システム同士の連携が不要で、シームレスに活用できます。

ERPと言えば、このタイプを連想する方が多いでしょう。

コンポーネント型ERP

コンポーネント型ERPは、好きなタイミングで必要な機能を追加できるERPとなります。必要な機能だけに絞れるため、より業務の効率化が図れ、開発期間やコストを抑えられるメリットもあります。

コンポーネント型には、統合型でありながら随時追加できるものも存在しています。

業務ソフト型ERP

業務ソフト型ERPは、人事システムや財務会計システムなど、特定の業務のみに特化したERPとなります。

他のタイプと比べて機能が多くない分、短期間で安く導入できる点がメリットです。小規模な企業におすすめのタイプとなります。

代表的なERP製品

ここからは、シェア率の高い代表的なERP製品について、海外と国内とに分けて紹介していきます。

海外のERP製品TOP3

海外において、シェア率の高いERP製品のTOP3は、以下のようになっています。

順位 ERP 企業
1位 SAP SAP SE(ドイツ)
2位 Oracle Oracle Corporation(アメリカ)
3位 Intuit Intuit Inc(アメリカ)

出典:最新ERPシェアと市場規模を解説!国内・海外のシェアランキング、今後の予想 | QEEE

SAP社のオンプレミス型ERPは老舗でもあり、世界でトップシェアを誇っています。2位のOracle社製ERPは、低価格で利用できる点が強みで、人気の理由とも言えるでしょう。

Intuit社のERPでは、オンライン化に舵を切ったことにより、シェア率を伸ばし3位にランクインした形となっています。

国内のERP製品TOP3

国内において、シェア率の高い代表的なERP製品は以下のとおりです。

順位 ERP 企業
1位 GLOVIA smart / SUMMIT / GLOVIA ENTERPRISE 富士通
1位 SMILEシリーズ 大塚商会
2位 OBIC7 オービック
3位 SAP ERP/ SAP Business All‐in‐one SAPジャパン

出典:2016年中堅・中小企業におけるERP活用の実態と今後のニーズに関する調査

国内でトップシェアを誇るのは、40年間も支持され続けている富士通社のERPです。世界でトップシェアを誇るSAP社のERPは、国内でもランクインしています。

参照: 富士通のERP「GLOVIA」が選ばれる理由がここにある

ERPの導入手順

ERP導入手順の大きな流れは以下のとおりです。

  1. 企画
  2. 要件定義
  3. 実装
  4. 運用

それぞれのステップについて、順に解説していきます。​​​​

企画

ERP導入の企画プロセスでは、主に以下を実施します。

  • 課題・導入目的の洗い出し
  • ERPの形態・種類の選定
  • ベンダーとの契約

現状抱えている課題やERPの導入目的を明確にし、どの解決がマストでベターなのか、優先順位をつけておきましょう。それらをヒントにすることで、必要なパッケージを選定しやすくなります。また、企画を固めておくことで、全社員へのERP導入の目的共有にも役立ちます。

ある程度ベンダーを絞り込めたら、スケジュールや予算規模、業務フローを明記した提案依頼書をベンダーへ発行しましょう。提案依頼書をもとに、ベンダーがERPの提案をしてくれます。

また、提案依頼書には、なるべく具体的な内容を記載しましょう。曖昧な情報では、ベンダー側も具体的な提案ができません。

要件定義

ERP導入の要件定義プロセスからは、ベンダーと共に導入を進めていきます。

まずは、導入にあたって自社の業務において変更不要な部分(フィット)と、変更が必要な部分(ギャップ)を洗い出しましょう。この工程を「フィット&ギャップ分析」と言います。

ギャップに該当する部分は、パッケージに合わせた業務フローに変更するのか、業務は変更せずアドオン(追加機能開発)をするのかを整理し判断していきます。

ギャップへの対応策がすべて決まったら、フィットと合わせて「新業務プロセス」として書類を作成しましょう。その後、業務規定や業務マニュアルなど書類も作成していきます。

実装

ERP導入の実装プロセスでは、ハードウェア構成やインターフェースを実装していきます。

設計は、要件定義をもとにベンダーが中心に行い、完成した設計書は依頼した企業側でレビューします。この段階では、機能要件をしっかりと満たせているか、ロジックに問題がないかを確認しておきましょう。

問題がなければ、ベンダー側で実装を開始します。このとき、アドオン開発も必要であれば、並行して実装されます。

また、実装が終わっても、すぐに本番運用はしません。本番で問題が出ないよう、実装に不備がないか、入念にテストを行うためです。テストでは、機能が正常に動作するのか、大きな負荷に耐えられるかなどをチェックしていきます。

運用

数あるテストを無事通過したら、いよいよERPの運用プロセスです。このプロセスでは、まずリリースに向けた準備をしていきます。準備段階では、本番環境へのデータ移行や業務マニュアルの作成、システムトレーニングが主な業務です。

リリース後は、システムが安定するまでベンダーが対応してくれます。ERP導入の成功判定は、あらかじめ設定していた経営指標が目標値を達成しているかで判断されます。

ERPの導入に携わるERPコンサルタントの仕事内容は以下の記事で解説しています。

▼関連記事
ERPコンサルタントの仕事内容とは?必要な資格や年収相場についても解説!

まとめ

ERPとは、経営に関わるデータを一元管理し、経営分析や業務の効率化を図ることができるシステムのことです。似たものに基幹システムがありますが、これは一つの業務データを管理するためのもので、ERPとは目的も大きく異なります。

また一口にERPとは言っても、導入形態だけでなく種類も豊富です。企業の規模や予算、解決したい課題によって、選ぶべきERPは変わります。「ひとまずこのシステムでいいか」と安易に決めず、しっかりと吟味して最適なERPを選び抜く必要があります。

そうは言っても、ERPの選定はそう簡単ではありません。ERPコンサルタントという職業があるくらい、選定には豊富な知識が必要です。そのため、ERPコンサルタントは今後も需要の高い職業と言えるでしょう。

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