データ・AI活用×海外事例

2024.3.7

【データ・AI活用×海外事例】米国大手保険”Northwestern Mutual”_健康診断データを活用した引受査定の自動化

💡要約

  • アメリカの生命保険会社では新規加入希望者に対する自宅訪問型の引受審査が一般的であったが、コロナの影響により非訪問型への業務改革が急務となった
  • 自宅訪問でしか得られない健康情報の代わりに、健康診断結果などのデジタルデータを収集し活用する新たな引受審査手法を確立した
  • 従来の自宅訪問型の引受査定と同等のリスク評価能力を保ちつつ、引受審査にかかる時間の短縮に成功した

企業紹介

 166年の歴史を持つNorthwestern Mutualは、Fortune500企業にも選出されているアメリカの生命保険会社であり、短期生命保険商品、生涯生命保険プランなどの保険商品を提供しています。

課題

 生命保険会社にとって新規加入希望者に対する引受リスクの評価は事業の成功に影響する重要な業務であり、Northwestern Mutualでも年間40万人以上の引受審査を行っています。アメリカの生命保険業界では従来、新規加入希望者の自宅に訪問し健康関連の質問・採血・尿検査を行った結果をもとに引受審査を行ってきました。しかし、コロナによる行動制限の中での自宅訪問は現実的ではなくなり、非訪問型の引受審査への業務改革が急務となりました。

解決策

 従来の自宅訪問で得られた検査結果データの代わりに、顧客が保有する医療記録や健康診断データを収集し、AI技術を活用して本来得たい自宅訪問型の検査結果データを予測する手法を確立した。

データソース:
 - 従来の引受審査手法:新規加入希望者から自宅訪問時に取得する健康関連の質問、採血や尿検査などの検査結果
 - 新しい引受審査手法:新規加入希望者からデジタルデータとして提出される過去の医療記録や健康診断データ

使用技術:
 - 画像処理:画像内の医療記録や健康診断データに記載されている数値情報を抽出し機械学習に使用できるフォーマットに変換する。
 - 機械学習:医療記録や健康診断データを学習し、従来自宅訪問で取得する健康関連の質問、採血や尿検査などの検査結果の予測を行います。

成果

 本取組により、従来の引受査定プロセスと同等のリスク評価能力を保ちつつ、自宅訪問が不要になったことで査定にかかる時間の大幅な短縮に成功しました。
同社は2023年末までに、保険商品の半数に健康診断データを活用したAI予測による非自宅訪問型の引受審査を導入することを目指しています。

実際の実現方法

同社が導入したシステムを、「Liberty DSP」で再現することが可能です。

1.新規加入希望者の健康診断結果医療記録などのデジタルデータ、既存顧客データを自動取得
2.デジタルデータから構造化データへ自動変換
3.従来自宅訪問で取得する健康に関する質問への回答と、採血や尿検査などの検査数値を予測
4.予測結果を出力し、保険の引受査定を実施
 

LibatyDSP

「Liberty DSP」は、Liberty Dataが提供する、蓄積→分析・可視化→事象予測→事業最適化までを一気通貫で有機的に自動遂行することを志向したデータサイエンスプラットフォームです。

サービスサイト_「DSP for Chemoinformatics」 https://www.liberty-nation.com/dspchemoinformatics/
資料請求・お問合せ https://www.liberty-nation.com/contents/

 
 
参考記事:https://sloanreview.mit.edu/article/how-northwestern-mutual-embraces-ai/