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ソリューション
データ・AI活用×海外事例
2025.9.2
【データ・AI活用×海外事例】英国のデータセンター用冷却システム企業”Airedale”_AIを用いた熱の発生予測と冷却システムの制御最適化を行い、大幅な運用コスト削減を実現
要約
- 英国のデータセンター用の冷却システムを提供するAiredaleは、過冷却によるエネルギー浪費や急激な温度変化への対応困難といった課題を抱えており、運用コスト削減のために制御方法の最適化を目指していた
- リアルタイムのセンサーデータを基にAIが熱の発生状況を予測し、結果を基に冷却システムの制御を最適化するソリューションを導入した
- 最大30%の消費エネルギーを削減し、冷却に使用する水を月間124万リットル削減するなど具体的な成果を挙げた
背景
英国に本社を構えるAiredale社は、病院や重要な施設のデータセンターに設置される冷却システムを世界中に提供しています。データセンターでは多くのサーバーを常時稼働させるため、大量の熱が発生します。熱の対策をせず稼働すると、機器の劣化による処理速度の低下や故障によるシステムダウンを招くので、安定した稼働をするためには冷却装置の設置が欠かせません。
課題
冷却システムの消費エネルギーは運用コストの中でも非常に大きな割合を占めます。同社はコスト削減のために、下記の課題の解決を目指していました。
・従来の冷却システムにおける温度設定などの制御方法は、季節や稼働状況の変化に合わせて最適化することが難しく、過冷却によるエネルギーの無駄使いが頻繁に発生する
・近年増えたSaaS、クラウド、AIなどのサービスはより多くの熱を発生させるため、稼働状況の変化に伴う温度変化が激しく、従来冷却システムでは対応が追いつかない
解決策
同社は、下記のソリューションで課題を解決しました。
室内外の気温、サーバの温度、室内の空気の流れなどのセンサーデータやサーバの稼働状況をAIがリアルタイムに解析し、熱がどこでどのくらい発生するか予測します。
・AI予測結果を基に冷却システムの制御を最適化
熱発生のAI予測結果を基に、冷房の設定温度・ファン回転数、冷房を液体によって冷やすチラーの温度と流量など、冷却システム全体の制御をAIを用いて最適化することで、過度な冷却によるエネルギーの無駄遣いや、冷却不足を削減します。
成果
下記のような具体的な成果が報告されています。
・世界の主要企業において、最大30%のエネルギーを削減
Google、Meta、Amazon、Microsoftでは、AI駆動の冷却最適化と液冷技術により、データセンター全体で最大30%のエネルギー使用の削減を達成しました。
・冷却に使用する水を月間124万リットル削減
Digital Realty のシンガポール拠点では、AI冷却導入により月間124万リットルの大幅な節水を実現しました。
実際の実現方法
同社が導入したシステムを、「Liberty DSP」で再現することが可能です。
LibatyDSP
「Liberty DSP」は、Liberty Dataが提供する、蓄積→分析・可視化→事象予測→事業最適化までを一気通貫で有機的に自動遂行することを志向したデータサイエンスプラットフォームです。
サービスサイト「Liberty DSP」 https://www.liberty-nation.com/product/
参考記事:
https://www.airedale.com/2025/06/12/ai-automation-the-next-frontier-in-cooling-efficiency/