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データ・AI活用×海外事例

2025.7.25

【データ・AI活用×海外事例】セルビア最大の通信事業者”Telekom Srbija”_汎用的なAIツールの導入が困難なセルビア語に対応したAIの導入により、顧客からのメール処理を自動化を実現し、顧客対応のスピードと質を大幅に向上

要約

  • 課題:セルビア最大の通信事業者である”Telekom Srbija”は、顧客メールの処理にかかる時間を短縮するため、メール内容の確認・分類をAIを用いて自動化したいと考えていたが、セルビア語が機械学習に必要なデータが不足している言語(低リソース言語)であることから、汎用的なAIツールでは十分に対応できないという課題を抱えていた
  • 解決策:自然言語処理技術「BERTopic」を活用して、顧客メールを自動分類する仕組みを構築
  • 成果:1通あたり平均0.041秒で高精度の自動分類が可能となり、顧客対応のスピードと質が大幅に改善

課題

Telekom Srbijaは、セルビア最大の通信事業者であり、個人・法人、双方に幅広い通信サービスを提供しています。

同社には、顧客から毎日膨大な数のメールが届いており、それらを人手で処理していました。

メールの内容は請求・契約・技術的な問い合わせなど多岐に渡るため、メールの内容を把握し分類するのに時間がかかり、さらに、適切な部署への振り分けが難しいことが課題でした。

そこで、AIツールの導入によりメールの分類を自動化できないかと考えましたが、セルビア語は機械学習に必要な「大規模なテキストデータ」や「言語処理ツール」が少ない言語(低リソース言語)のため、一般的な既存ツールではうまく対応できませんでした。

解決策

同社は、AI研究機関と連携し、自然言語処理技術「BERTopic」を活用して、顧客メールを自動分類する仕組みを構築しました。

〈システムの構成〉
前処理:9万通以上のメールの件名と本文を統合し、不要な文字や署名、重複情報を取り除き、分析に適した形式に変換。
AIによる自動分類:多言語対応のAIを活用し、メール内容を数値的に表現し、類似メールをトピックごとに自動分類。
分類カテゴリの調整:自動生成された72トピックを、カスタマーサービスで運用しやすい12カテゴリに再分類。
分類結果を社内アプリに連携:分類結果はデータベース化され、担当者が専用アプリを通じて簡単に検索・対応できるよう整備。

成果

導入後、メール内容に基づく自動分類が可能となり、顧客対応のスピードと質が大幅に改善されました。また、下記のような具体的な成果が報告されています。

高い分類精度:メールの自動分類において、人間と同等以上の精度を実現しました。(分類タスクの評価指標であるF1スコアは0.96を記録)
高速な処理性能:1通あたり平均0.041秒で分類することができ、大量のメールが届いてもスムーズな処理が可能となりました。
業務効率の向上:分類結果は社内アプリで共有され、担当者はカテゴリ別にメールを絞り込めるため、対応の優先順位が明確になり、対応スピードと精度が向上しました。

実際の実現方法

同社が導入したシステムを、「Liberty DSP」で再現することが可能です。

LibatyDSP

「Liberty DSP」は、Liberty Dataが提供する、蓄積→分析・可視化→事象予測→事業最適化までを一気通貫で有機的に自動遂行することを志向したデータサイエンスプラットフォームです。

サービスサイト「Liberty DSP」 https://www.liberty-nation.com/product/

参考記事
https://arxiv.org/abs/2502.19115?utm_source=chatgpt.com