データ・AI活用×海外事例

2024.3.28

【データ・AI活用×海外事例】中国大手銀行_チャットボットの改善によりカスタマーサービスの品質・効率を向上

💡要約

  • 中国の大手銀行は、カスタマーサービスにチャットボットのシステムを導入していたがサービスの成長に伴い顧客満足度の低下、作業時間コストの増加などの課題が現れたため既存のシステムの改善が求められていた
  • 改善策として、AIを用いた自然言語処理などの機能を搭載した新しいシステムを導入した
  • 新システムの導入により、約99.2%のユーザー問い合わせに人の介入が不要となり、メンテナンスコストは75%に削減された

課題

中国にある大手の銀行は、2012年よりクレジットカードのカスタマーサービスにチャットボットを導入し人手不足の改善やサービスの向上に大きな成果を上げていました。しかし、近年のクレジットカードビジネスの成長に伴って下記の課題が大きくなったため、既存のシステムの改善が急務となりました。

● 誤判定や誤読があるためユーザー満足度が低い
既存のチャットボットはユーザーが入力した文章の意味を誤判定・誤読することが多く適切な対応ができないため、ユーザーが不満を抱く原因となっていました。

● 要求されるシナリオの多様化に対応できない
サービスの発展に伴って問い合わせ対応のシナリオも多様化し、例えば、ユーザープロファイル、アカウントの調査、請求書分割など、既存のチャットボットでは対応できない要件への対応が求められていました。

● メンテナンス作業の負担が大きい
既存のチャットボットの技術は古くキーワードを認識することで応答を行っていました。しかし、このシステムはナレッジベースのメンテナンス作業量が多く、キーワードの分割・単語分割・テンプレートの更新などの日常的なメンテナンス作業を複数のエンジニアで行う必要がありました。

解決策

 銀行は課題解決のために下記のAI技術を活用した新しいチャットボットシステムを導入しました。

機能
(1)自然言語処理機能
 今までは質問のキーワードを識別することで答えを検索しする仕様になっていましたが、新しいシステムでは顧客の意図をより正確に読み取れるようになりました。自然な会話に近い応答で顧客の多様な問題解決をサポートすることができます。例えば、請求書照会、金融商品の購入、商品の相談、分割払いの手続きなどが可能です。
(2)メンテナンスの自動化
 新しいシステムでは、知識ベースの自動的なメンテナンスを、自動クラスタリングや反復的な最適化を通じて実現し、メンテナンスコストを大幅に削減しました。

(3)オペレーターの効率向上
 富裕層への対応やより複雑な業務処理などどうしても人が対応しなければならない場面においても、本システムで顧客の情報や要求をシームレスにオペレーターへ引き継ぎ、応答をサポートすることで、オペレーターの効率向上と人的ミスの削減を実現しました。

成果

● 約99.2%のユーザー問い合わせは、チャットボットによって処理され、人の介入は不要となりました。
● カスタマーサービスの処理能力は、新システム導入前は1分間に平均で2〜3件の問い合わせを処理していたのに対し、1分間に15〜20件処理できるようになりました。
● 顧客の意図の識別精度は95%で、問い合わせに対する自己解決率は80%に達しました。
● 知識ベースが自動的にメンテナンスされることにより、メンテナンスコストは75%に削減されました。

実際の実現方法

同社が導入したシステムを、「Liberty DSP」で再現することが可能です。

1.チャットボットで取得した音声データや、社内データベースの商品・顧客に関するデータを自動取得
2.AIを用いた自然言語処理で音声データを変換
3.AIが最適な回答を算出
4.算出した回答をチャットボットへ連携し、顧客へ返答
5.より複雑な処理が必要と判断された場合は、オペレータへ顧客要求などの情報を連携

LibatyDSP

「Liberty DSP」は、Liberty Dataが提供する、蓄積→分析・可視化→事象予測→事業最適化までを一気通貫で有機的に自動遂行することを志向したデータサイエンスプラットフォームです。

サービスサイト_「DSP for Chemoinformatics」 https://www.liberty-nation.com/dspchemoinformatics/
資料請求・お問合せ https://www.liberty-nation.com/contents/

参考記事:https://www.fanruan.com/cases/view?cid=32