【データ・AI活用×海外事例】欧州大手航空”Airbus”_AIによる自動設計を活用して航空部品の軽量化と生産効率向上を実現

要約

• 欧州の大手航空機メーカーのAirbusでは、航空機部品の設計において、安全性と耐久性を確保しつつ軽量化を進めることが求められています。
• AIによる自動設計を導入し、軽量で効率的な部品設計を実現しました。
• 部品重量を45％削減し、材料使用量と製造コストも大幅に低減する成果を上げました。

課題

Airbus（エアバス）は、欧州を代表する航空機メーカーであり、民間機から軍用機まで幅広い機種を開発・製造しています。

航空業界では燃費向上とCO₂排出量削減のため、機体の軽量化が重要視されており、その実現には構造的な強度を保ちながら無駄のない部品設計が必要とされています。同社では、「より軽く、より強く、そしてより効率的に」を目指して航空部品の設計に取り組んでいます。例えば、飛行機の内部構造である仕切り板などは、強度を保ちながらも不要な重量を避ける必要があります。

航空業界では、設計者の経験や過去のデータに基づく手動の設計手法が主流ですが、複雑な構造や新素材への対応には限界があります。同社においても、従来の設計手法では設計の自由度が低く、複雑な荷重分布や設置条件を考慮した最適化には多くの試作・検証が必要であるため、時間やコストの負担が大きいのが現状でした。

解決策

この課題に対し、同社はAIによる自動設計という新しい技術を採用しました。

本技術では、設計者が取り付け位置、荷重条件、強度要件などの機能や制約条件を入力すると、AIが自動的に複数の設計パターンを生成します。これにより、自然界の骨格構造のような、有機的かつ複雑な形状が生み出され、従来の手法では実現できなかった最適化が可能となります。

同社は、試験的に機体内部の仕切り板の設計に本技術を適用しました。AIが数百通りのパターンをシミュレーションし、強度、軽量性、製造可能性といった条件を満たす最適な構造を導き出すことで、これまでの設計手法では生まれなかった軽量な部品の設計に成功しました。

成果

本技術の導入により、仕切り板部品の重量を従来比で約45％削減することに成功しました。
これにより、1機あたりの燃費向上するだけでなく、部品材料の使用量も削減することができ、環境負荷とコストの両方を抑える効果が得られました。

また、試作・検証の回数や手戻りを最小限に抑えることで、開発期間を短縮することができました。

この事例は、航空機製造の分野においてAIと設計プロセスの融合がもたらす変革の大きな一歩であり、今後は他の部品や製造業全体にも応用が期待されています。

実際の実現方法

同社が導入したシステムを、「Liberty DSP」で再現することが可能です。

LibatyDSP

「Liberty DSP」は、Liberty Dataが提供する、蓄積→分析・可視化→事象予測→事業最適化までを一気通貫で有機的に自動遂行することを志向したデータサイエンスプラットフォームです。

サービスサイト「Liberty DSP」　https://www.liberty-nation.com/product/
資料請求・お問合せ　https://www.liberty-nation.com/contents/

参考記事
https://www.industryweek.com/technology-and-iiot/article/22025329/what-generative-design-is-and-why-its-the-future-of-manufacturing