業務・業界・技術

2022.1.26

CRMとSFAの違いは?顧客管理ツールの選定方法と失敗しないポイントを解説!

コンサル募集

自社で顧客管理ツールを導入したいと考えている方の中で、「CRMやSFAの違いが知りたい」「CRMやSFAの導入の検討をしようと思っているが、ツールを選ぶ際のポイントや失敗しない進め方を知りたい」このようにお悩みの方も多いのではないでしょうか?

CRMとSFAはどちらも顧客管理ツールという点で大変似ており、検討に迷ってしまいます。

そこで今回は、CRMとSFAの違いから顧客管理ツールの選定方法、失敗しないためのポイントまでをわかりやすく解説します。

今回の記事を読むことで、あなたの会社にとって必要な顧客管理ツールの選び方がわかるでしょう。それでは早速解説していきます。

CRMとSFAの違いとは?

CRMやSFAなどの顧客管理ツールを導入する企業が増える一方、CRMとSFAの違いはわかりにくいものです。

そこで、CRMとSFAそれぞれの特徴と違いについて解説します。

CRMの特徴

CRM

CRMはCustomer Relationship Managementの略で、「顧客関係管理」と訳されるものです。

CRMは、元々は顧客の情報を収集・分析し効果的なアプローチを行う経営手法のことを指していました。

しかし、DXが進む中でツールが一般的になり、今では顧客管理を行うITツールのことを一般的にCRMと呼ぶようになっています。

こうしたCRMツールの特徴は、顧客管理を必要とする全ての領域に関連することです。

そのため、CRMの中には、マーケティングオートメーションやカスタマーサポートの機能を包括したツールもあり、目的に合わせて検討する必要があります。

CRMの概要や詳しい導入方法については、以下でも解説しています。

▼関連記事

CRMとは?期待できる効果や導入時のポイント・人気のCRMツールを紹介

SFAの特徴

SFA

SFAは、Sales Force Automationの略で、営業支援システムを指します。

営業支援システムは、売上の最大化を目指す目的で導入されるのが特徴です

営業活動における顧客管理や、活動管理、案件管理、見込み顧客の管理などを行い、それぞれの内容に対して可視化を行う機能を持っています。

CRMとSFAの比較

CRMとSFAの違いは、顧客情報をどの領域で管理するかにあります。具体的には、CRMがSFAを含んだ概念になっており、幅広く顧客情報を管理するものはCRMと呼ばれ、営業に特化して顧客情報を管理するものはSFAツールと呼ばれています。

現代では多くの部門が連携してビジネスをするため、CRMで顧客情報を共有することを目指すケースが多いです。

というのも、顧客からすればCRMを選択して全社で顧客情報を共有できることで、一貫性のある体験ができ、結果的に企業と顧客との信頼関係が増すからです。

具体的には、営業が販売した背景をカスタマーサービスに正しく共有できることで、顧客は商品に不具合があった時に、カスタマーサービスで即座に自分の状況をオペレーターに理解してもらうことができる、といったケースが考えられるでしょう。

CRMとSFAの具体的な違いは、以下のとおりです。

CRM SFA
顧客情報の活用範囲 全社 営業のみ
カバーする機能 顧客情報に関わる全領域
(マーケティング・サービスなど)
営業領域の機能のみ
基本機能 顧客管理/メール配信/キャンペーン管理/ソーシャルメディア連携/顧客サポート機能/データ分析レポート
(SFAの機能も包含します)
顧客管理/行動管理/日報管理/スケジュール管理/ToDoリスト・通知機能/データ分析レポート
管理できる情報 ​​企業名/担当者氏名/担当者連絡先/担当者部署・役職/企業所在地/アンケート結果/アフターサービスの利用状況
(SFAの機能も包含します)
企業名/担当者氏名/担当者連絡先/担当者部署・役職/企業所在地/折衝履歴(日時)/案件内容/商談内容/抱えている課題/興味・関心/セールスマンのコメント

CRMはMA(マーケティングオートメーション)にも関連

CRMはMA(マーケティングオートメーション、以下MA)にも関連しています。MAとはwebサイト、営業が獲得した名刺情報やイベントなどで接触のあった見込み顧客に対するマーケティング活動を自動化するツールです。

なぜCRMがMAと関連するかというと、CRMは顧客情報を管理する全ての領域に適応される仕組みであり、MAも顧客情報を軸にマーケティングを自動化する仕組みだからです。

例えば、自社サイトから資料請求があった見込み顧客にステップメールを送るなどの活用方法がMAにおける機能のひとつですが、これも顧客情報がなければ動きません。

逆に、MAと合わせてCRMを活用することでビジネスをスケールさせやすくなります。具体的には、検討度合いが高まった見込み顧客にタイミングよく営業につなぎ商談をすることで売上につながるといったシーンで、MAとCRMとの連携が重要になるわけです。

このように、MAをCRMに連携するか、MAを含むCRMを活用することで、MAで獲得したリード情報を自動で営業に連携することができ、効率的に案件創出が可能になります。

さらに、MAを活用することで見込み顧客の育成も自動化でき、営業効率も大幅にあがるためCRM/SFAの導入効果も高まるでしょう。

CRM/SFA選定におけるポイント

それでは、自社に合ったツールはCRMとSFAのどちらなのか、適切に判断するためのポイントを解説します。

CRMとSFAの選択よりも、目的から逆算することが重要です。

具体的に確認しましょう。

ビジョンや目的に合わせたツールを選ぶ

まずツールを選ぶ前に、ビジョンや目的を明確化してからツールを選定することが重要です。

ツール導入の目的が何かを明確化することで、必要な機能が決定し、選ぶべきツールが明確になるのです

例えば、営業組織の強化だけであればSFAのみでよいですが、リピート案件を確実に取っていきたいのであればカスタマーサポートも重要かもしれないし、リード獲得がボトルネックならMAの拡張性が必要かもしれません。

さらに、ビジョンや目的が決まれば、KPIの設定も目的から逆算して設定できるため、不要なKPIを排除し重要なものにフォーカスしたツール活用が可能となります。

現場の業務にあったものを選定する

CRM/SFA導入で成果を出すには、現場の業務に合うツールを導入する必要があります。

なぜなら、現場の業務に合わないツールを入れると、最終的に活用されなくなり効果が創出できないからです。

具体的には、BtoCの業務であるにもかかわらず、BtoBに最適化されたSFAツールを選定してしまうような選び方をしてしまうと、現場で成果を出すことはできないというケースがあります。

現場の業務に最適なものを選ぶためには、メーカーのデモを現場に確認してもらうなどの方法で判断しましょう。

もしくは、無料トライアルできるツールもあるため、実際に触ってみるのも有効です。

ただし、その場合は現場の負荷になり十分なテストができないことも多く、テスト計画を立てて進める必要があります。

MA(マーケティングオートメーション)など拡張性を意識する

会社の発展や世の中の変化を柔軟にキャッチアップするためには、CRMツールの拡張性が重要です。

もし拡張性のないCRMを選んでしまうと、必要な機能が広がった時にCRMツールの置き換えが必要になるかもしれません。CRMは定着化が難しいツールでもあるため、置き換えをするとまた定着化させる必要が生じてしまい、失敗するリスクが生じます。

さらに、企業は常に成長するものであるため、必要な機能は成長とともに変化することを前提にしておく必要があるのです。

そのため、CRMにおいて拡張性は重要です。中でも特に拡張しやすく、効果の出やすい領域としてMAの拡張は意識すべきでしょう。

例えば、MAの活用シーンには、リードの獲得だけでなく、CRMと組み合わせることで既存顧客への新商品のナーチャリングまで幅広く利用できます。

こうした観点からも、MAとCRM効果を得やすいといえるでしょう。MAの機能を最初から持っているCRMもあるため、導入目的によっては、はじめからMAの導入を視野にいれて検討することをおすすめします。

CRM/SFA導入で失敗しないためのポイント

CRM/SFA導入の失敗とは、ツールの活用が進まず使われなくなってしまうことです。ツールは使って成果を出してこそ意味がある一方、特にCRMは定着化しにくい特徴があります。

そこで、CRM/SFAの選定後、どのように導入すれば、ツールの活用度合いが高まり、失敗しないかについて確認しましょう。

二重入力はNG!現場の負担を上げない

CRM/SFAを活用してもらうには、二重入力になるようなツール導入は現場の負担となるため絶対に避けなければいけません。

なぜなら現場の負担が増えることで、ツールの活用度合いが下がり、効果創出しにくくなってしまうからです。また、同じような情報を2箇所に打ち込むような作業は、ユーザーからすれば無駄な作業としか感じられず、モチベーションの低下にもつながります。

例えば、Excelなどで営業日報を作っているのに、CRM/SFAでも報告をさせるような業務設計をしてしまうと、現場の負担があがり、元々やっていた日報の運用に戻りがちになります。

このように、CRM/SFAを展開する際には、現場の負担を下げるような導入の進め方が必要です。

一方、モバイルで簡単に報告ができるようにする、データの可視化を自動化するなどの機能で生産性を上げていけば、現場にもメリットが生まれて活用促進しやすくなるでしょう。

二重入力を回避し生産性向上を意識することで、CRM/SFAの定着化を促進しましょう。

KPIを明確化!CRM/SFAのデータを可視化し管理・評価する

KPIを明確に設定し、CRM/SFAのデータで管理・評価することでツールの活用が進みます。

なぜなら、自分の評価される数字がCRM上のものであれば、誰もが必ず入力して評価をしてもらうために取り組むからです。

ツール導入当初は、顧客情報の入力件数や活動の入力件数などを可視化し、KPIにしておくことでツールの定着化につながるわけです。

また、KPIの明確化をすることで、余計な入力項目を削減することにもつながるので、現場にもメリットがある取り組みでもあります。

KPIを明確化することでCRM/SFAの活用度合い向上を目指しましょう。

MAを合わせて導入し現場への価値を向上させる

MAを合わせて導入することで、現場への価値が高まりツールの活用度合いが高まります。

なぜなら、MAを活用すれば見込み顧客の情報や、自社サイトへの顧客のアクセス情報が確認できるようになり、現場がツールを利用する価値が高まるからです。

例えば、MAとCRMを連携させて見込み顧客の情報が確認できるようになれば、営業はCRMへのアクセスを積極的に行い、案件獲得に向けて活動しやすくなるのです。

さらには、CRMだけでなくMAの効果も創出できるため、ツール導入の効果が得やすくなるでしょう。MAを合わせて導入する場合は、MA側の運用体制や活用促進のための計画も十分に練っておく必要があります。

加えて企業では、マーケティングが別部門であることが多いため、ビジョンを固めて全体最適化を測りながら進めることが大切です。

MAを並行して検討し、現場への価値提供を考えていきましょう。

CRM施策の概要や詳しい導入方法については、以下でも解説しています。

▼関連記事

CRM施策で行うことは?具体的な取り組みやメリット・導入事例も解説

まとめ

SFAとCRMの違いは営業に特化したツールか、顧客管理全体を指すかの違いです。ツール導入の前に目的を明確化することで必要な機能が確認できて、どちらを選ぶべきかがわかるでしょう。

さらには、現場との相性や想定されるKPI、拡張性などから総合的に自社に必要なツールを判断するべきです。効果創出や定着化に向けては、MAの導入も合わせて検討すると効果が高まるためおすすめです。

弊社Liberty Nationでは、フリーランスの方向けにCRM・SFAツール導入・運用関連の案件を紹介しています。CRM・SFAツールが扱える方で今後フリーランスや副業で案件を獲得したいとお考えの場合は、以下バナーよりご登録のうえ、お気軽にご相談ください。

コンサル募集