• TOP
  • 事例
  • データ・AI活用×海外事例
  • 【データ・AI活用×海外事例】ドイツの電子部品製造業 “Siemens Electronics Factory”_オンプレミス環境で行っていた製品不良のAI画像検査をクラウド連携したことで、学習時間80%・誤検知率50%以上大幅削減

データ・AI活用×海外事例

製造

製造DX

2026.6.5

【データ・AI活用×海外事例】ドイツの電子部品製造業 “Siemens Electronics Factory”_オンプレミス環境で行っていた製品不良のAI画像検査をクラウド連携したことで、学習時間80%・誤検知率50%以上大幅削減

製品不良検知のAI画像検査システムにクラウド(AWS)を連携することで、精度向上のための学習時間80%減・誤検知率50%減を実現

要約

  • ドイツの電子部品製造業 “Siemens Electronics Factory”は、製品の不良検査の工程においてAIによる画像検査をオンプレミス環境で行っていたが、コンピューター処理能力不足でAIモデルの改善に時間がかかる・運用がIT担当者依存・データ保管のコスト増大といった課題を抱えていた
  • 既存システムとAmazonのクラウドサービス「AWS」を組み合わせ、画像データの収集・モデルの改善・現場への実装を一気通貫で実行できる新たなシステムを構築した
  • AIモデルの学習時間を80%削減、誤検知率を50%以上削減、データ保管コストを90%以上削減することに成功した

課題

ドイツの電子部品製造業”Siemens Electronics Factory”は、産業用コントローラーや自動化システムの基幹部品を生産しています。
同社では20年以上にわたり、回路板に電子部品を設置する際の配置ずれや異常をAIが画像から自動で検出する仕組みを使用してきました。
しかし、AIの精度を維持・向上させるために欠かせないデータの収集とAIモデルの改善において、オンプレミス環境が原因となり以下のような課題がありました。
・コンピューター処理能力が不足していたためAIの改善に時間がかかっていた:
製造ラインで日々蓄積される大量の画像データを処理するには自社コンピューターの性能が不十分で、AIの学習に1回あたり約30分を要していました。その結果、製造現場での不良パターンの変化速度にAIの学習が追いつかず、検知精度の改善が遅れるほど誤検知リスクが高まり、品質管理の信頼性を損なう悪循環に陥っていました。柔軟にコンピュータの処理能力やリソースを増減させることも困難でした。
・運用がIT担当者に依存していた:
AIへの学習や、学習済みモデルを工場の機器へ反映し稼働できる状態にするたびにIT担当者の手作業が必要で、製造現場の従業員だけでは運用が完結できない状態でした。
・データ保管コストが増大していた:
工場の製造ラインで発生する大量の画像データを保存・管理するため、大容量のデータ保存用サーバーの購入・維持のコストが増大していました。データ量の増加に伴い設備の拡張・更新も必要となり、維持コストが経営上の負担となっていました。

解決策

同社はこの課題を解決するため、オンプレミス環境の既存システムにAWS(Amazonが提供するクラウドサービス)を組み合わせた、画像データの収集・モデルの改善・現場への実装を一気通貫で実行できる新たなシステムを構築しました。
主な機能
① 現場の画像データをクラウド上に集約
製造ラインのカメラで撮影されたプリント基板の検査画像は、クラウドに自動送信・蓄積されます。これにより、現場で日々生成される大量の画像データがクラウド上に一元管理され、AIの継続的な学習素材として常に活用できる状態になります。
② クラウド上でAIモデル学習を自動実行
集約された画像データをもとに、モデルの更新や学習をクラウド上で自動実行します。オンプレミスのコンピューターの処理能力不足が解消され、大量データの処理をスムーズに行えるようになりました。
③ クラウド上で学習・更新されたAIモデルを現場へ自動実装
学習済みモデルは製造現場の各デバイスへ自動実装され、IT担当者の手を借りることなく、現場担当者だけで最新モデルへの更新が完結します。
④ AI検査精度の継続的モニタリング
現場でのAI検査結果とクラウドでの学習結果を自動で突き合わせて監視することで、「精度が落ちてきたら再学習→最新モデルに更新」という改善サイクルを人手をかけずに回し続けられる仕組みを実現しました。

成果

・AIモデルの学習時間を80%削減:これまで手作業で約30分かかっていたAIモデルの学習から反映までの作業が、約5分に短縮されました。
・誤検知率を50%以上削減:AIによるプリント基板の検査精度が向上し、誤った不良判定が大幅に減少しました。
・データ保管コストを90%以上削減:AWSのクラウドストレージに移行したことで、データ管理にかかるコストが大幅に削減されました。

実際の実現方法

同社が導入したシステムを、「Liberty DSP」で再現することが可能です。

LibatyDSP

「Liberty DSP」は、Liberty Dataが提供する、蓄積→分析・可視化→事象予測→事業最適化までを一気通貫で有機的に自動遂行することを志向したデータサイエンスプラットフォームです。

サービスサイト「Liberty DSP」 https://www.liberty-nation.com/product/

参考記事:
https://aws.amazon.com/jp/partners/success/siemens-electronics-factory-erlangen-siemens/?utm_source