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データ・AI活用×海外事例
金融
2026.4.3
【データ・AI活用×海外事例】英国大手保険会社”Aviva PLC”_属人的だった保険金請求プロセスをAIで自動化し、処理期間を平均23日短縮、振り分け精度が30%向上
要約
- 課題: 英国最大の総合保険会社”AvivaAviva PLC”では、保険金請求の処理は事故ごとに状況が異なるため判断が複雑で、担当者が手作業で対応するには限界があり、処理の遅れやミスが生じていたが、業界全体でのAI活用が遅れていた
- 解決策:自然言語処理・機械学習・生成AIを組み合わせたAIモデルを、事故説明文の解析・過失判定・レポート自動生成・成果測定といった請求処理の全工程に展開し、自動化した
- 成果:複雑な案件の処理期間を平均23日短縮、担当部署への振り分け精度が30%向上、顧客満足度が7倍超に上昇した
課題
英国最大の総合保険会社”Aviva PLC”は、英国・カナダ・アイルランドで2,000万人以上の顧客を抱え、損害保険・生命保険・年金・資産運用を幅広く展開しています。保険金請求(クレーム処理)は顧客が事故や損害を経験した際に行う最も重要なやりとりであるにもかかわらず、以下の課題を抱えていました。
1.請求処理のコストが急騰しているにもかかわらず、業界全体でAI活用が遅れていた
保険金請求の作業にかかる費用(人件費・調査費・修理費など)が毎年増え続けており、一般的な物価の上昇よりもはるかに速いペースで膨らんでいました。本来であれば、こうしたコスト高騰への対策としてAIの活用が期待されるところですが、保険業界では「どの保険料を設定するか」「契約者に継続してもらうか」といった分野にAIの利用が偏っており、実際にコストが膨らんでいる保険金の請求処理へのAI活用は、ほとんど手がつけられていない状況でした。
2.請求処理の判断が複雑なので、処理速度や精度の向上に限界があった
自動車事故を例に挙げると、「損傷の程度」「怪我人の有無」「修理か車両交換か」「どの修理工場が適切か」など、請求処理には多くの判断が連続して発生します。こうした複雑な判断を担当者が手作業で行っていたため、処理に時間がかかるうえ振り分けミスが多発し、顧客からのクレームが積み重なっていました。
解決策
同社はMcKinseyのAI部門「QuantumBlack」と協力し、データサイエンティスト・エンジニア・ビジネスリーダー・現場との橋渡し役を含む50人以上のチームを組成。請求対応の全工程に80以上のAIモデルを構築・展開しました。各AIは以下のようにデータを活用しています。
・データを統合:
遺伝情報、成長データ、肉質、飼育状況、健康記録、販売データなどを一つの基盤に集約し、従来の統計モデルでは困難だった複雑な相互作用の分析を実現しするための環境を整えました。
《代表的な機能》
1.自然言語処理(NLP)で事故説明文を自動解析し、契約内容と照合
顧客から届いた事故の説明文を自然言語処理AIが自動で読み取り、保険契約の内容と照合します。従来は担当者が手動でテキストを確認し契約条件と突き合わせていましたが、確認作業を自動化しました。
2.機械学習で過去の請求データを学習し、過失判定と担当部署への自動振り分け
過去の請求データと事故パターンをもとに機械学習モデルをトレーニングすることで「誰の過失か」をAIが自動で判定し、その結果に基づいて最適な担当チームへ請求を自動的に振り分けます。
なお、個人への傷害が関わる案件など人間による対応が必要な局面では、自動的に担当者へ切り替わる「ダブルヘリックスアプローチ」を採用し、AIと人間の判断をシームレスに組み合わせる設計としています。
3.生成AIで損傷評価レポートの下書きと顧客への連絡文を自動作成
損傷状況の評価レポートの下書きを生成AIが自動で作成し、次に取るべきアクションも提案します。また、請求者へのメールやSMSによる進捗連絡も自動生成・送信されます。担当者はレポート作成や連絡業務から解放され、より複雑な判断業務に集中できるようになりました。
4.50以上のKPIを設定した成果測定フレームワークで各AIモデルの効果をリアルタイムに可視化
各AIモデルの効果を定量的に把握するため、50以上のKPI(評価指標)を設定した成果測定の仕組みを構築しました。効果が確認されたモデルは拡大展開し、不十分なものは迅速に見直す体制を整えることで継続的な改善が可能になりました。
また組織全体への浸透を図るため、延べ4万時間以上のトレーニングを実施し、データを重要な資産として活用するデジタルファーストな文化を組織に根付かせました。
成果
・複雑な請求案件の処理期間を平均23日短縮
・担当部署への振り分け精度が30%向上
・顧客からのクレーム件数が65%減少
・顧客満足度が7倍超に上昇
・従業員満足度スコアが2倍以上に向上し、過去最高を記録
・修理での再生部品活用率が3倍に拡大(コスト削減と環境負荷低減を同時達成)
実際の実現方法
同社が導入したシステムを、「Liberty DSP」で再現することが可能です。

LibatyDSP
「Liberty DSP」は、Liberty Dataが提供する、蓄積→分析・可視化→事象予測→事業最適化までを一気通貫で有機的に自動遂行することを志向したデータサイエンスプラットフォームです。
サービスサイト「Liberty DSP」 https://www.liberty-nation.com/product/

