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データ・AI活用×海外事例

2025.12.26

【データ・AI活用×海外事例】米国大手小売 “Walmart”_個別導入で分断されたAIを、利用者起点で統合し、顧客対応時間40%削減を実現

要約

  • 課題:米国大手小売のWalmartでは、AIを部署・用途ごとに個別導入した結果、利用者は使い分けの負担が増し、開発面では機能の横展開が進まず、運用面でも全社的な管理・統制が難しくなるという課題が生じていた
  • 解決策:利用者の立場ごとにAIの入口を統合した「スーパーエージェント」を導入したことで、利用者の使い分けの負担解消、AI機能の共通基盤化と運用の一元管理、効率性・拡張性・ガバナンスの改善、を実現した
  • 成果:顧客対応時間を最大40%削減、シフト計画作成時間を90分から30分へ短縮、製造リードタイムを最大18週間削減など、複数領域において大幅な業務効率が大幅に向上した

課題

米国大手小売のWalmartでは、食品・日用品・衣類・家電などを幅広く取り扱っており、業務規模の拡大に伴い、社内外でAIの活用を積極的に進めてきました。
その過程で、複数のAIツールが部署や用途ごとに個別導入される形となり、全社的な整理が十分に行われないまま運用が続いていました。
その結果、以下の課題が顕在化していました。

  1. 複数のAIツールを使い分ける必要があり、利用者の負担が増加していた
    利用者は、目的や状況に応じて複数のAIツールを使い分ける必要があり、どのAIを使うか毎回判断しなければならない状態にありました。
    このため、操作方法の習得やツール選択に時間と労力を要し、本来は業務効率化を目的とするAIが、かえって利用者の負担を増やす要因となっていました。
  2. 各部署がAIを個別に導入・開発していたため、機能の拡張や展開が進みにくかった
    新たなAI機能を追加・改善する際には、部署や用途ごとに個別の設計・開発・管理が必要となり、類似機能の重複開発や再実装が発生しやすい状況にありました。
    その結果、有効なAI機能であっても全社的に迅速に展開することが難しく、AI投資の効果を十分に最大化できていませんでした。
  3. AIツールの分散運用していたことで、セキュリティなど全社共通の管理・統制が難しかった
    複数のAIツールが独立して運用・進化していたため、モデルの更新管理、アクセス権限の制御、データ利用ルールの統一、セキュリティ対策などを全社で統一的に管理することが困難でした。
    特に大規模企業である同社においては、こうした統制不足が情報管理や経営上のリスクにつながる可能性があり、ガバナンスの確保が重要な課題となっていました。

解決策

同社は、AIツールの分散によって生じていた使いづらさや運用上の非効率を解消するため、「スーパーエージェント」と呼ばれる中核的なAIを導入し、下記の解決策を講じました。

  1.  複数のAIを1つの窓口から利用できるようになり、利用者の負担が軽減した
    各利用者の立場(顧客、従業員、サプライヤー・パートナー、開発者)に応じた単一のAI窓口として提供することで、利用者が複数のAIツールを使い分ける必要がなくなりました。
    これにより、問い合わせ先を判断する負担が解消され、学習コストや判断コストが大幅に低減しました。
  2. 共通基盤として活用することで、AI機能の拡張・展開が容易になった
    スーパーエージェントを全社共通のAI基盤として位置づけ、その上で新たなAI機能を追加・改善する仕組みを採用しました。
    これにより、部署や用途ごとに個別開発を行う必要がなくなり、類似機能の重複開発や再実装を防止できるようになりました。有効なAI機能は一度の開発で全社へ迅速に展開可能となり、AI投資の効果を効率的に最大化できる体制が整えられました。
  3. AI運用を集約したことで、全社共通の管理・統制が容易になった
    分散していたAIツールをスーパーエージェントの枠組みに集約することで、モデル更新管理、アクセス権限の制御、データ利用ルール、セキュリティ対策を全社で一元管理できるようになりました。
    これにより、AIごとに異なっていた管理方針や運用ルールが統一され、大規模企業として求められるガバナンスを、持続的に維持できる体制が確立されました。

成果

  • 顧客サポートの業務において、顧客対応時間を最大で40% 削減
  • 従業員シフト管理業務において、シフト計画時間が従来の約90分から30分に短縮
  • ファッション部門において、製造のリードタイムを最大で18週間削減

実際の実現方法

同社が導入したシステムを、「Liberty DSP」で再現することが可能です。

LibatyDSP

「Liberty DSP」は、Liberty Dataが提供する、蓄積→分析・可視化→事象予測→事業最適化までを一気通貫で有機的に自動遂行することを志向したデータサイエンスプラットフォームです。

サービスサイト「Liberty DSP」 https://www.liberty-nation.com/product/

参考記事:
https://www.verdigris.co/case-studies/grand-hyatt-automates-savings